ご紹介しております小倉裕史先生が作られた
「楽琵琶」をご覧くださったお客様より、
昨年ご注文頂きまして、
半年程かけて作られた「楽琵琶」です。
先月お納めさせて頂きました。
実際に演奏されていらっしゃるお客様。
その方は、なるべく昔ながらの作り方で
作って欲しいとのご希望で
材料もまた、昔の記録にあるような名器の材料を
先生には、選んで頂きました。
制作中には、お客様ご自身が
木材や象牙といったこだわりの材料を集められたり
様々な「楽琵琶」の資料などお持ちくださったりと
お客様の「楽琵琶」に対するお気持ちが
私共にまで感じるほど。
小倉裕史先生もその思いにお答えしようと
ツゲや、タガヤサン、象牙など現代では
なかなかに手に入りにくい木材材料探しから、
制作するにあたり試行錯誤の繰り返し・・・
結果、お二人の熱意が込められた
上質で素晴らしい「楽琵琶」が完成致しました。
「楽琵琶」は、クラシックギターのように
余韻がありすぎては駄目で
音が大きく、締まりがあり、
遠音がさすものののような長い残響がないものが
「楽琵琶」としては最高の楽器なんだとか。
後日、お客様が伊勢神宮元楽長の先生に
小倉先生作の琵琶をご覧頂いたそうで
嬉しいことに、沢山お褒めのお言葉も頂戴致しました。
先生曰く、音量、音勢がある、非常に良くできた琵琶。
一番細い絃も楽器が共鳴して良くなっている。
各絃のバランスがとれており、楽器として完成されている。
残響も響きすぎず、短すぎず、良い調子。
転手反手の細工が精密で、調絃がしやすく戻ら
ないため調律が狂いにくい。
外見も優美で洗練されていると太鼓判を押して頂きました。
普段の小倉裕史先生は家具を専門に
制作されておられる木工作家です。
小倉先生にとって楽器の製作は、
本当に初めてのことでしたが先生は作るものに対して、
いつも真摯に向き合いながら丁寧なお仕事をされ、
常にお使い下さる方の事をとても考えて作ってくださいます。
その為、いつもご注文を受けました場合、
同時進行で作品をもう一点全く同じものを作られるのです。
今回の「楽琵琶」も同じで、
お客様がどのような事を求めておられるのか
琵琶にとっても一番良いものとは何か・・・を
考えに考えて精根込めて作られた「楽琵琶」には
先生の情熱を感じました。
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