作家の『手』

2018年5月24日 (木)

小谷栄次の『手』







倉敷ガラス創設者の小谷眞三先生の
ご子息であり
弟子である小谷栄次先生。




倉敷ガラスとは、複数の職人が息を合わせ行う
一般的なガラス作りの作業工程とは違い
1人で全ての作業工程を行います。

これは、小谷眞三先生が独自に
作業工程を考え
作業道具を開発し作り上げたもの。
そして、生みの苦しみの末に
作り出された倉敷ガラスは
丈夫で割れにくく、余計なものがない、
使えば使うほど愛着のわくガラスの仕事であり
使うことを一番に考えた素朴で誠実なものとして、
今日までに多くの方に愛されてきました。




その倉敷ガラスを継ぐ事は、
苦労の連続だったんだそうです。
初めに「見て覚え、感じなさい」という教えから
眞三先生の作業をジッと
何十時間も見つめては覚えての繰り返し。
ガラスを吹かせてもらえたと思えば、深夜遅くまで
“小鉢のみ”を10年間吹き続ける毎日が続きました。
眞三先生の教えとして
「1つの作品が、きちんと吹けないのに
他の作品が出来るわけない」
と言われたそうです。



それを忠実に守り続け、眞三先生の薫陶と
修行の賜物が、制作に対する姿勢が誠実で
倉敷ガラスに対して熱くゆるぎない思いを持った
栄次先生をつくり上げました。

そして、この『手』から生まれたガラス作品は
眞三先生の愛されてきた部分として
ガラスなのに温かく柔らかい印象を
感じさせる美しさが
栄次先生の作品にも存在しております。

眞三先生の「志」が大切に紡がれていることに
栄次先生とお会いして更に感じました。

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2018年4月24日 (火)

菱田賢治の『手』






菱田賢治先生は、
1964年 神奈川県横須賀生まれ。

東京藝術大学美術学部デザイン学科を卒業後は
(株)電通のアート・ディレクターとして
次には、尾道大学の准教授として
働いておられました。

それを経て、工房「陶と漆」を
静岡県伊豆熱川に築窯され、
陶漆作品を作り続けておられます。






日本では、陶と漆を扱い
作品を制作されていらっしゃるのは
菱田先生が唯一の作家と言われる程に
珍しい「陶胎漆器」であります。
陶磁器に漆を施し、釉薬と漆の融合の美しさ
伝統工芸の素晴らしさを守りつつ、
「陶と漆」それぞれの良さを
引き出す為の高度な技術と
「美」の世界を作り上げた作品は
様々な方面での経験値を積まれた
菱田先生の「美」に対する真摯な仕事だから
生まれ出るのではないでしょうか。



陶器を焼いてから、漆を塗る面白さは
今回、私共も初めて拝見致しましたが、
とても奥深く美しい蒔絵が融合された
お抹茶碗も菱田先生ならではございます。


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2017年10月15日 (日)

松形恭知の『手』






高校時代に陶芸に興味を持ち
大学では、美術研究会に入り
絵や陶芸を楽しんでおられた松形恭知先生。

そして、大学卒業後
現在に至るまでの時間は
埼玉県にて中学教師をしておられました。

初めは時間の余裕がなく
教師をしながら、陶芸との両立は
難しいものだったそうです。
それでも、心のゆとりをと
少しづつ陶芸を再開されてゆきました。



1997年に国展初入選の後
1998年には、
益子陶芸展審査員特別賞を受賞されたりと
様々な公募展にて入選・入賞を重ねてこられました。
そして50代半ばの時、ゆかりのある
宮崎県へ戻り築窯し陶芸一本の道へ。





近年では、2016年に
国画会工芸部の会員へとなられ
松形先生の「陶芸の道」は着実に
前へ進んでおられ、実際の始まりは
他の先生方と比べると遅いですが
とてもエネルギッシュで
大作では、力強さと勢いを感じます。

そして、このスラッとした『手』で
丁寧に真摯に作品と向き合いながら、
ツヤのある飴釉の作品を中心に作陶されております。






そんな松形先生の器は、
使う用途を考えながら
毎日のように使って頂けるような器として
暮らしの中で寄り添う温かみを
感じさせてくれる様です。



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2017年9月 2日 (土)

田中茂雄の『手』







田中茂雄先生は、京都生まれ。

奈良県明日香村にある
奥明日香の栢森という集落の中に
築約280年の古民家にて暮らしておられます。

その庭の中にある工房で、
穴窯と倒炎式薪窯にて極力天然の材料で
昔ながらの手法を使い作陶されます。

自然の中で生まれた出た作品は、
素朴さもありながら力強い器であり
使えば使う程に、景色が移ろい
その変化の美しさに魅せられます。





田中先生の作品に対する思いについて
古陶磁の力強さは、その時代の暮らしの中から
生まれ出たものだと思っておられるそうで
その暮らしに近付く様にと
現在の明日香村での生活をされております。
そして、その中で生まれた作品を
手に取られた皆様に、感動を与えられる様な
作品作りをしてゆきたいと…
陶芸家らしい『手』は
暮らしを通じて作品の力強さを生み出します。








上方銀花での個展は初めてですが
長年、1号店にて
作品を展示させて頂いておりました。
その為、お料理好きな方から、
茶道をされていらっしゃる方、
お酒が好きな方など…
皆様、田中茂雄先生の作品に
長年にわたり魅了された方々ばかりです。




暮らしの中で生まれ出る
田中茂雄先生の作品は
人々の暮らしの中でまた、
共に息づくように色んな形で
暮らしの感動を与えてくれます。

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2017年6月18日 (日)

川野恭和の『手』②






鹿児島県で生まれ育った
川野恭和先生。

瀬戸で陶芸を学ばれ、
瀧田項一氏に師事されました。
その後、故郷に戻り鹿児島で
作陶されています。

瀧田氏より、確実に
民藝の力強さを受け継がれ
国画会を先達する立場として
「用の美」を理念に
暮らしの中で、使うものこそ美しく、
目で楽しんで使って楽しむ
温もりのある作品たち。

この厚みのあるしっかりとした『手』から
数々の作品を生みだされてきました。







作品からは、優れた民芸品に備わる静かな強さと
確かな使いよさが伝わってきます。




そして、使い手の事を一番に考えて作られた作品は、
持ちやすさ、口当たりのよさ、丈夫さで
上方銀花では、ファンが絶えません。
毎日、川野恭和先生のカップで飲むコーヒーやお紅茶は
ゆったりと、心を柔らかくしてくれている様な
安心感があり、お客様方にとても好評です。

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2017年6月 4日 (日)

吉岡正人の『手』





埼玉県にお住まいの吉岡正人先生。
現在は、作家活動をなさっている中
武蔵野美術大学、
埼玉大学の教授もされており
学生たちに絵画について、
そして教育について
後進の指導にも尽力されております。

お話をしていると
とっても面白くて、お話が楽しい吉岡先生。
大阪出身なので、私たちの冗談にも
付き合ってくださるなんて事もありました。








作品は、中世のルネッサンスそして
現在の輝く時間を切り取られた
静かな空気感が漂う世界。
どこかイタリアを思わせる
美しい想像の世界を描かれております。


下絵の段階で、絵の全てのイメージが
出来上がっている程に
精密な構成のもと作られた吉岡先生の絵は
惹き込まれるような独自の世界観。


描かれた人物は、どこかを見つめ
何かを訴えかけているかの様な
見るものを放しません。




吉岡先生は、本日までのご在廊でしたが
展覧会は、12日(月)までの開催です。

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2017年3月27日 (月)

井崎正治の『手』






木工作家として家具を製作されていた
井崎正治先生。
可愛らしい愛嬌あるこの立体作品たちは
先生にとって遊びの延長として
家具を作る中、合間を見ては
楽しく遊びながら作っておられたそうです。


上方銀花での個展では、家具が中心で
立体作品を展示した事はありませんでした。
その為、井崎先生の作品をお持ちのお客様は
皆様、椅子やテーブル・掛時計など…
暮らしの一部となるものばかりです。
それから、いつしか立体作品が
井崎先生の作品として出始め
私共も、実際に拝見したいと、展示が出来たら…と
長年、願っておりました。






木を彫っている時は、とても楽しいものだそうで
薄い板材を積層した塊を、いきあたりばったりで彫り進め
思うがままに、ピエロや女性など…形を作り出します。
ゆったりと、伸びやかな作品なのは
「いきあたりばったり」で楽しんで掘り進められるからこそ
井崎先生ならではの木彫が完成するんだと思います。




また、「絵」や「版画」も同じで
描いている時を楽しまれていらっしゃる様子が
作品から伝わってきます。



現在は、自分の技術を継承するために「工房塩津村」にて
若い方々を育てる為、木工のいろはを教えておられ
その合間には、作家として作品作り
または、建築の大きなお仕事もされていらっしゃいます。

常に「木工」と向き合われておられる姿は
気負いがなく、とても淡々とおおらかなお姿なのですが
お話を聞けば、井崎先生の中にある木工に対して
表には出さない、情熱的な熱い部分が
静かに流れているように感じました。






いつでも、木工をしている時も、暮らしの中でも楽しむことを忘れず
自分で作れそうなものは、なんでも作ってしまう井崎先生。
家具・木彫・油絵・版画…アトリエも、お家も作ってしまう井崎先生。
他に作れるものは無いかな?と
まだまだ、目を輝かせておられました。

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2017年3月12日 (日)

藤平寧②の『手』






何年も待ち焦がれた、上方銀花の念願の個展から
5年が経ち、更に進化し続けておられる藤平寧先生。

父は「陶の詩人」とも呼ばれ
独特な世界を確立した、藤平伸氏です。
轆轤を使わずに、石膏で作った型や、
手捻りによって生み出された作品は
伸氏から薫陶を受けられた寧先生ならではです。

作品のように、ゆったりとした時間が流れているような
和やかな藤平寧先生の『手』



「ふくら」




「私なりのかたちを求めて」
シンプルの中に、どこか藤平先生のこころにある
「嬉しい 楽しい 悲しい 安心 不安」
動くかたち・姿を変えるかたちが、作品には潜んでいます。


「ふくら」

柔らかで詩情にあふれた作品は、気負いがなく、
見る側の心にもすっと馴染んでくるかのような心地よさです。
また、手を触れたくなるような愛おしさがあります。

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2016年11月24日 (木)

木工:岡井大介の『手』




この肉厚の『手』は、
今時は、珍しく
携帯電話もパソコンも持たれない
木と真剣に向き合う事に誠実な岡井大介先生。
飾らない、素敵なお人柄は
作品からも伝わってきます。

本来の木の性質.性格を細かく感じとり
育ち方を見て、其々の「木」に見合った作品を…と
どんな時でも「木」に対するこだわりが伺えます。








こちらのデスクは、全て桜の木を使用し
桜の木目を重点に作られた逸品作品。

桜の木は、寿命が短い為に
このように立派な太さで厚みのある一枚板は
なかなか手に入りません。
その貴重な桜を贅沢に、木を生かしながら
光沢の美しい桜の一枚板デスク。
木が好きな方は、このデスクから離れられないほど
温もりを感じさせてくれる作品。

大きさも十分ございますので、
2人掛けでお使い頂いても十分な広さです。







また、江戸時代の木材をそのままの素材で
下の脚を石倉先生に作って頂きました。
江戸から平成へ…
時を渡り歩いた木材からは、その歴史が伺えます。
それが味となり、先生方の『手』で生まれ変わりました。

他にも、江戸時代のお寺にあった素材を使った大作など
どれも「木」を一番に考えて作られた作品は
滑らかな手触り、美しい木目、
光が当たった時の「木」独特の光沢感
全て、岡井先生のこだわりが詰まっております。



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2016年4月12日 (火)

誉田屋源兵衛 十代目・山口源兵衛の『手』

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京都室町に278年続く老舗の帯匠・誉田屋源兵衛
十代目 山口源兵衛氏は、
伝統は“攻めることで守る”とばかりに
誰もがなし得なかった事や
不可能を可能にして実証されてきました。
その背中は偉大で、伝統を守りながらも
常に新たな可能性を求めて挑戦し続けています。

5

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源兵衛氏の探究心と感性、強い意志、
そして阿吽の呼吸で伝わる職人達の力で
今日まで、様々な素晴らしい帯を生み出してきました。

今回も新たな挑戦として
誉田屋源兵衛が挑戦したテーマは
「100年前のヨーロッパの宝飾品を帯にする」

9~20世紀に活躍したフランスの装飾芸術史に
燦然と輝く巨星「ルネ・ラリック」を焦点に
今までとは違った、斬新で美しく、
誉田屋らしい洗練されたデザイン性のある帯を作り上げました。


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いつも“ハッ”と感動の驚きを与えてくれる
山口源兵衛氏のモノづくりに対する熱い姿勢は、
ビートたけしさんが会いたい人として番組に出演されたり
トヨタのスポーツカー「トヨタ86」の
イメージキャラクターとして紙面を飾っておられたり
多くの人を魅了してこられております。

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