皆様に今お伝えしたいこと

長瀬川の桜並木は、もうすぐ満開を迎えようとしています。

日本人にとって桜が咲き始めるこの時期は、明るい希望のスタートでした。

幼稚園、小学校、中学校、高校、そして大学と、新入生は胸を膨らませ、

社会人になる若者は責任と喜びへの第一歩を踏み出す。

そんな新しい事だらけの４月です。

今年は、戦争を知らない私達世代にとって人生で初めての大きな試練を感じています。

報じられるニュースに心が痛み、敵がコロナウイルスであること以外、何一つ

手の打ちようのない不安に怯える日々を強いられています。

こんなに八方塞がりの日本で、何か出来ることはないものでしょうか。

各々が今出来る事に限界まで挑む覚悟が必要と思います。

そして、他人にはその何倍もの注意と敬意を払わなくてはなりません。

この重々しい空気が、やがて静かに通り過ぎていくのは、一人一人の責任と

覚悟しか無いのかもしれません。長く終わりの見えない道は不安に

押しつぶされそうですが、それでも悲しく辛い事ばかりではありません。

かつて、私達日本人が、これ程までに見知らぬ人に愛情を持って案じたことも、

無事を祈る気持ちを共有したこともありません。

この祈りは、必ず明るい未来に繋がると信じます。

ギャラリーという仕事は、長い期間の準備と、

作家との数知れぬやりとりの結果、

作品展示がやっとの思いで完成するのです。

コロナに苦しめられている今日ですが、

「上方銀花」は万全を期して明るく幸せな空間で、

お客様をお迎えしたいと心から願います。

もちろん安全は言うまでもありません。

これ以上、被害が増えませんようにと…

今こそ、心を一つにして明るく乗り切れるようにと心から願います。

ギャラリー上方銀花

神立　順子