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2017年3月27日 (月)

井崎正治の『手』






木工作家として家具を製作されていた
井崎正治先生。
可愛らしい愛嬌あるこの立体作品たちは
先生にとって遊びの延長として
家具を作る中、合間を見ては
楽しく遊びながら作っておられたそうです。


上方銀花での個展では、家具が中心で
立体作品を展示した事はありませんでした。
その為、井崎先生の作品をお持ちのお客様は
皆様、椅子やテーブル・掛時計など…
暮らしの一部となるものばかりです。
それから、いつしか立体作品が
井崎先生の作品として出始め
私共も、実際に拝見したいと、展示が出来たら…と
長年、願っておりました。






木を彫っている時は、とても楽しいものだそうで
薄い板材を積層した塊を、いきあたりばったりで彫り進め
思うがままに、ピエロや女性など…形を作り出します。
ゆったりと、伸びやかな作品なのは
「いきあたりばったり」で楽しんで掘り進められるからこそ
井崎先生ならではの木彫が完成するんだと思います。




また、「絵」や「版画」も同じで
描いている時を楽しまれていらっしゃる様子が
作品から伝わってきます。



現在は、自分の技術を継承するために「工房塩津村」にて
若い方々を育てる為、木工のいろはを教えておられ
その合間には、作家として作品作り
または、建築の大きなお仕事もされていらっしゃいます。

常に「木工」と向き合われておられる姿は
気負いがなく、とても淡々とおおらかなお姿なのですが
お話を聞けば、井崎先生の中にある木工に対して
表には出さない、情熱的な熱い部分が
静かに流れているように感じました。






いつでも、木工をしている時も、暮らしの中でも楽しむことを忘れず
自分で作れそうなものは、なんでも作ってしまう井崎先生。
家具・木彫・油絵・版画…アトリエも、お家も作ってしまう井崎先生。
他に作れるものは無いかな?と
まだまだ、目を輝かせておられました。

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