涼やかな日本の佇まい【神代杉・風呂先屏風】

山形県と秋田の境に出羽富士とも言う
見事な山「鳥海山」があります。
そこに眠っていたのが「鳥海山の埋木」
二千六百年前の鳥海山の大噴火によって
莫大な森林が地下に埋没し
火山噴火の際に流れ出た岩石・火山灰などによって
地中に閉じ込められた樹木たち。
土中の酸素の少ないところで
微生物等に侵されず腐らず
古代の時代のまま保存され出来たもの。
特に秋田県側に多くうまれているそうです。

そして、埋木の中でも
千年以上埋もれている樹木の事を「神代」と呼び
鳥海山で多く取れるのは欅と杉で、
それぞれ「神代欅」と「神代杉」と称されております。
昔から、埋木に目を付けた人々によって
人力で掘られたと思われる跡もあり
そこから、重機を何台も引き継いで
掘り出すことが出来る様になって
多く世に出ることになりました。。
なんと大きいもので直径四メートル以上の
大きなものが見つかるそうです。
長い間眠っていたものが
私たちの時代にでてきてくれたという
浪漫を感じる、貴重で有難い木でございます。

今回、涼やかな日本の佇まいと題し
特別に展示しております風呂先屏風は、「神代杉」を使用し
平安時代から伝統を受け継がれてきた組子の技法を使い
独自の南部細目組紋様細工で作られております。
縦横にまっすぐと組まれた立体的に見える独特の文様は、
角度によって様々な表情に変化。
これからの季節、茶道をされる以外にも
涼やかさを演出してくれる屏風は
強度にも優れている為、補強もいりません。
味わい深い特殊な色合いで
人を引き付ける魅力的な神代杉を
そのままお愉しみ頂けます。
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