川岸富士男の『手』
昨日まで、3日間
ご在廊くださっておりました川岸富士男先生の『手』
『手』からも感じる、とっても優しく穏やかな口調。
一気に川岸先生の世界へと導かれます。
先生は、群馬県に生まれて
1974年に多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、
お仕事をされながら、季刊誌「銀花」に写る
美しいものばかりを見たために、
この思いを描き出すため
手描き本「翠花(すいか)」の制作を始められたそうです。
89年には、季刊誌「銀花」に
「翠花」全10冊が紹介され話題となりました。
この「翠花」は、一年に一冊のみ制作され、
表紙から裏表紙に至るデザインまで全て手書きの書籍で
、そこには江戸時代の絵師を思わせる作風と
現代的な装飾性を備えた植物画の世界が広がっています。



全ての「翠花」本が、この『手』と一本の筆だけで
自由自在な書体や、線を巧みに使いこなし作られたもの。
川岸先生は、小学生の時から
「鉛筆一本あれば大丈夫。生きてゆける。」と変わらぬ思いで
ゆるぎない信念で、様々な書体を
鉛筆1本で書けるように習得されました。
そして、今もなお進化し続けている川岸先生の
面相筆という細い筆1本で細い線も太い線も書き分けてしまう
丹精な筆さばきは必見でございます。
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