奥村信之 ブロンズ像展

ヒポクラテス

踊り子

奥村先生は、エミリオ・グレコ氏に弟子入りし
古代ギリシア・ローマ時代から伝わる伝統技法
「イタリアン・ロストワックス」を使い
本場イタリアでも後継者がほとんどいないこの技法を
グレコ氏から受け継ぎ、
具象表現を追及し続けてこられました。
奥村先生は、耳や前腕、骨格・肉付きを見ただけで
その人の身体のつくりがおおよそ分かるのだそうです。
それは、やはり長年培ってこられた鍛錬の賜物で
長く観察した時は、6ヶ月もの期間ジーっと見ていたのだそうです。
人の・動物の「本質」「魂」を捉えることで
ブロンズ像に魂を吹き込むことができ
硬い金属に血を通わせ、命が吹き込まれます。
また、見たままを作られるのではなく
その人物を深く知ることで
その人らしさや、雰囲気、様々な角度から見た人物の表情や、
骨格、シワなど・・・その人物の「本質」を捉え
ブロンズ像として作り込みます。
現代では、3Dプリンターでモノが作られる時代。
繊密に計測されたデータから、人の顔までも
精巧な形がコピーされ、様々なモノの形を作る事が出来ます。
ですが、そこには奥村先生の様な温もりは無く、血が通っていない
そのままをコピーした形です。
奥村先生のブロンズ像は、様々な表情を織り交じりながら作られた
空気をも包み込む、心を捉まれるような作品です。
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