吉橋玄雄の『手』
吉橋玄雄先生は、立命館大学卒業後、
竜安寺大珠院、盛永宗興老師に師事し
京都で絵画修復を学び、
東京で表具師片岡一龍氏に師事、
平成元年、表具完光堂として開業されました。
現在まで表具師として東京を拠点とし
様々な場所で、ご活躍をされておられます。
表具師とは、作品に布などで衣装を着せたり、
衣替えしたりと、美術作品の軸装、額装、など
その修復を手がけるお仕事。
表具の世界は現在、「表装作家」という表現を中心にする方、
「修復家」という書画の修復を専門にする方、
「表具師」という伝統的なかたちを展開する方という
三つに分化しつつあるそうなのです。
そんな分化しつつある時代に、
それぞれが向かっている方向を含んだ「今」を
大切にする表具を目指されている吉橋先生は、
伝統的な素材を大事にしながらも
ファションやファブリックの布、海外の布など
多ジャンルに富んだ「今」を仕立てた表装作品を
創り続けて来られました。
吉橋先生が抱かれる、表具に対する思いはもちろん
その表具される作品に対する思いや
掛け軸など、現在の日本でのあり方に対する思いは
どれも熱く、真っ直ぐでございます。
吉橋先生の手によって、
優しく包み込むように作られた作品達は
日本ならではの「包む文化」であり
どれも、見て感じる、
そこに命が吹き込まれている事を感じるのです。
※『吉橋玄雄 表装展』は
明日12/22(月)までとなっております。
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