誉田屋源兵衛の帯展
「二重七幸織」とともに、今展の新作帯として展示中の「洛小袖」
(みやここそで)。
東京国立博物館にある六曲一双「洛中洛外図」屏風は、江戸初期の
風俗画を代表する作品です。
その屏風の中には、貴族、武家、町人、僧侶、歌舞伎役者などなど
沢山の人物が描かれ、実に2728名にも及ぶそうです。
江戸初期の自由で明るい社会を反映し、目にも鮮やかな色彩の
着物や帯を身に纏った人々は、活気にあふれています。
江戸時代の小袖の衣裳図をもとに、「洛中洛外図」の人物の姿を
誉田屋独自の発想と解釈を加えて、帯の意匠にと織り上げられました。
画中に、帯と同じ人物の姿を探して頂くのも愉しいかもしれません。
「洛小袖」の帯は、明るく柔らかな色調と、帯の軽さが魅力的です。
銀箔を粉状にして何重にも重ねたものを、特殊な技術で糸へと加工し
織り上げておられるため、帯にはまるで朧月の光のように神秘的な
深みが出ています。
箔の光沢感をあえて抑えた質感は、どのような場面にもお使い頂ける
品の良さが漂っています。
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