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2013年3月 8日 (金)

鞆岡隆史「花木展」

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開催中の、鞆岡隆史「花木展」より。
鞆岡先生の作品はデジタルカメラによって撮影され、徳島の
和紙に印刷されています。

もともと画家志望でおられた鞆岡先生の、写真作品の始まりは
ゴム印画を用いる古い技法でした。
絵画のような写真の制作を目指して行われていた古い技法は、
猛毒を発生し、人体や環境に優しくないことから、次第に現在の
デジタルカメラでの作品の発表に移行していかれたそうです。

画面を見てみると、植物の瑞々しい立体感を感じることが出来ます。
モチーフとなる花や木には、全ての面にピントがあたるように
カメラを駆使し、撮影されています。
例えば立派な枝ぶりの木蓮を撮影する場合、一輪の花が一番
手前にあって、木の枝はぐっと奥に向かっているのですが、
花にピントが当たっているのと同じように、枝にもピントが当たって
います。
リアリティーを感じさせながら、現実にはあり得ない世界。
この不思議さが、鞆岡先生の作品を際立たせています。

日本では欧米に比べて、まだまだ写真の芸術性に対しての認識が
遅く、銀版のものが良しとされるような風潮がありますが、
写真が持つ、本来のシャープな再現性をより美しく実現している
のが鞆岡先生の作品です。
アメリカの写真美術館長や、写真のコレクターは、今と言う時代に
相応しい鞆岡先生の写真を高く評価し、サンディエゴ写真美術館
に作品が収蔵されました。

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