2013年3月
2013年3月26日 (火)
2013年3月25日 (月)
森翠風 鯉持童子
京都の木彫り人形師・森翠風先生。
木曾桧の柾目が美しい、端正で雅やかな作品をいつもお届け
くださっております。
こちらの作品は、店頭に並べるやいなやご予約を頂戴した
「鯉持童子」です。
素晴らしい作品でしたので、ブログでもご紹介させて頂きます。
鯉は滝を登って龍になるといわれ、男児の出世と健康を願う
縁起物として、古くから端午の節句には鯉幟をかかげる風習が
あります。
また、金太郎が自分より大きな鯉を捕まえたという伝説もあって、
腕白に大きく成長することへの願いも込められています。
どっしりとした安定感のある童子の姿からは、力強さと神々しさを
感じます。
只今1号店にて、端午の節句のお飾りを色々と展示しております。
森先生の「桃太郎」や「祝兜」もございますので、ぜひご高覧
くださいませ。
2013年3月23日 (土)
竹内瑠璃の『手』
細やかな筆遣いで、それはそれは美しい独自の世界を生み出す
竹内瑠璃先生。
OLとしてのお勤めを経て一念発起、京都伝統工芸専門学校で
学び、卒業後は九谷の著名な染付作家・山本長左氏のもとで
修業されました。
平面のイラストは、子供の頃からお好きでよく描かれていたそう
です。
修業なさった染付に赤絵や色絵が加わった、繊細で美しい作品
たち。
竹内先生らしいエレガントな優しさが溢れています。
手のひらに収まるほどの器に描かれた精緻な絵付けは、間近で
見ると様々な発見を与えてくれます。
唐草の間で鳥たちが謳うのが聞こえてきそうな、また、野草の
中に蝶や小動物がかくれんぼしていたり…。
見る側に様々なストーリーを感じさせてくれる、愛おしい作品たち。
竹内瑠璃先生の展覧会は、25日(月)までの開催です。
最終日まで竹内先生が在廊してくださいますので、皆様ぜひ
お出かけくださいませ。
2013年3月21日 (木)
小倉裕史の楽琵琶
大きな革張りケースを手に、ご来廊くださった小倉裕史先生。
いつも、端正で美しい家具を発表してくださっております。
今回はとても珍しい御注文を受けられたとのことで、作品を
拝見させて頂きました。
ケースの中に収められていたものは、なんと「琵琶」です。
ある高校の、雅楽部顧問の先生より御注文頂いたものだそうです。
立派なケースも、小倉先生作です。
雅楽の管弦合奏や催馬楽の伴奏に用いる、楽琵琶というものです。
琵琶の中で最も大きいものだそうで、水平に構えて演奏されます。
タモや欅、桜、ウォルナットなど、様々な種類の材を用いて、丁寧に
創られた楽琵琶。
撥が当たる撥面には、牛革が貼られています。
木目がとても綺麗で、長くお使い頂きますとますます木の味が出て
きそうです。
雅楽部があるだなんて、ユニークな高校ですね。
小倉裕史先生の楽琵琶、オーダーも承ります。
お気軽に御相談くださいませ。
2013年3月19日 (火)
竹内瑠璃 九谷色絵展
昨日に引き続きまして、上絵付けの作品の制作のご様子を
ご紹介致します。
片口に、とても丁寧に細かな絵付けがなされています。
真っ白な磁器の上に、竹内先生の手によって、みるみる
繊細で美しいが施されていきます。
近視だという竹内先生、絵付けは全て裸眼でなさるのだそうです。
線描きと金彩を施してから焼成。
続いて和絵具で色を挿していかれます。
修業時代は、染付を手掛ける師匠のもとで学ばれ、現在の作品の
中心となっている色絵のお仕事は、ほぼ独学で習得なさったもの
だそうです。
不透明の白い和絵具がのせられました。
これを焼成すると、グレーのような紫のような、深みのある色に
なります。
実物の片口は、今回出品くださっておりますので、ぜひ実際に
ご高覧くださいませ。
こちらは、「弦月」と名付けられたシリーズの作品です。
2013年3月18日 (月)
竹内瑠璃 九谷色絵展
写真は、竹内瑠璃先生の上絵の制作のご様子です。
フリーハンドで、金彩の絵付けを施した磁器に、テンの毛の筆で
線描きしていかれます。
テンの毛はコシがあって、細い線を描くのに適しているのだそうです。
ここで一度焼成。
それから、今度はタヌキの毛の筆に持ち替え、たっぷりと和絵具を
含ませて色をのせていきます。
不透明のピンク色の和絵具が、焼成すると瑞々しいグリーンに
なるのだそうです。
この状態では1色のように見えますが、濃い色から薄い色まで4色
ぐらいをグラデーションにして、同時進行で色を付けて行かれます。
金彩の色が薄いようなら再度重ねて、焼成します。
和絵具は焼成をしすぎると剥離してしまうため、2度、多くても3度
までに抑えて、窯に入れるのだそうです。
実に緻密なお仕事です。
出来上がった作品は和絵具が少し盛り上がり、ガラス質の艶を帯びて、
まるで、植物が朝露に塗れて輝いているかのように見えます。
「翠聲」と名付けられたシリーズです。
2013年3月16日 (土)
2013年3月15日 (金)
竹内瑠璃 九谷色絵展
2号店ギャラリーにて、本日より竹内瑠璃先生の作品展が始まって
おります。
ほとんどの作品が、手のひらに納まる程の大きさですが、その器の
中に竹内先生独自の絵付けの世界が無限に広がっています。
写真は、赤絵の香合。
繊細なタッチで描かれた猫の毛の、なんと柔らかそうなこと。
赤絵は絵付けを重ねることが出来るそうで、何度も焼成しては
絵付けを重ね質感を表現、白い磁器と赤い絵付けのみの世界に
立体感が見事に生み出されています。
香合の蓋を開けると、中には鼠の姿が。
鼠は、猫に狙われていることには気がついていない様子ですね…
このあと、どうなるのやら…
そんな物語を、作品から感じることが出来ると、より楽しく愛おしく
なるものですね。
2013年3月14日 (木)
2013年3月12日 (火)
品川恭子 友禅更紗染帯 ダリア
以前に、当ブログにてご紹介させて頂いた、お客様の御注文の
品川恭子先生の染帯。
その記事をご高覧くださっていた、ご遠方の方より新たに
オーダーを頂いておりました。
この帯に使われている赤い色が、品川先生ほどの方でも発色が
困難なお色だそうで、二度と染めるまいと思っておられたものを
最期の一点との条件で、特別に手掛けて頂きました。
東北の震災の折には幸いにも影響が少なかったご様子ですが、
雪深い地で、永らくお楽しみにお待ち頂いたお客様のもとに、
先日ようやく帯をお納めさせて頂くことが出来ました。
以前のものと全く同じ帯にならないようにと、今回の帯にはところ
どころ金を挿してくださり、地色も少しこっくりと仕上げてください
ました。
お客様には大人っぽく締められそうと、お喜び頂きました。
本当に、大人の女性に相応しい、こっくりと美しい赤です。
2013年3月11日 (月)
2013年3月 9日 (土)
2013年3月 8日 (金)
鞆岡隆史「花木展」
開催中の、鞆岡隆史「花木展」より。
鞆岡先生の作品はデジタルカメラによって撮影され、徳島の
和紙に印刷されています。
もともと画家志望でおられた鞆岡先生の、写真作品の始まりは
ゴム印画を用いる古い技法でした。
絵画のような写真の制作を目指して行われていた古い技法は、
猛毒を発生し、人体や環境に優しくないことから、次第に現在の
デジタルカメラでの作品の発表に移行していかれたそうです。
画面を見てみると、植物の瑞々しい立体感を感じることが出来ます。
モチーフとなる花や木には、全ての面にピントがあたるように
カメラを駆使し、撮影されています。
例えば立派な枝ぶりの木蓮を撮影する場合、一輪の花が一番
手前にあって、木の枝はぐっと奥に向かっているのですが、
花にピントが当たっているのと同じように、枝にもピントが当たって
います。
リアリティーを感じさせながら、現実にはあり得ない世界。
この不思議さが、鞆岡先生の作品を際立たせています。
日本では欧米に比べて、まだまだ写真の芸術性に対しての認識が
遅く、銀版のものが良しとされるような風潮がありますが、
写真が持つ、本来のシャープな再現性をより美しく実現している
のが鞆岡先生の作品です。
アメリカの写真美術館長や、写真のコレクターは、今と言う時代に
相応しい鞆岡先生の写真を高く評価し、サンディエゴ写真美術館
に作品が収蔵されました。
2013年3月 7日 (木)
倉橋佳子先生傘寿&メタルビーズ40周年
先日、倉橋佳子先生の傘寿と、メタルビーズとの運命の出逢い
から40周年を記念して、祝賀パーティーが催されました。
会場は、倉橋先生とは所縁のある、グランドプリンスホテル高輪の
「貴賓館」です。
もとは竹田宮の邸宅であった、ネオ・バロック様式の宮殿で、
豪華な装飾が施されています。
倉橋先生の情熱の結晶である、細やかで美しいメタルビーズバッグが
何点も会場に並び、優雅な華やぎを感じさせてくれます。
メタルビーズの煌めきと、会場の雰囲気がマッチして、心豊かに
過ごさせて頂きました。
現在放映中の連続ドラマ「夜行観覧車」で使用されている作品も。
夏木マリさん演じる小島さとこがいつも手に提げているのが、
倉橋先生のメタルビーズバッグです。
毎週金曜日のドラマですが、明後日の放送で、なぜ小島さとこが
メタルビーズを愛用しているのか…その謎が明かされるそうです
のでお見逃しなく。
お土産に頂戴した、かわいいクッキー。
佳子先生のご子息・智太郎さんの奥様、潤子さんによるお手製
です。
ご家族の深い愛情を感じる、あたたかな会でした。
倉橋佳子先生のメタルビーズバッグは、3月末より久しぶりに
上方銀花で花開きます。
お楽しみに!
2013年3月 5日 (火)
鞆岡隆史「花木展」
鞆岡先生の作品には、静かな空気が流れているようです。
花や木の美しさもはもちろんですが、背景の真っ白な空間が
非常に印象的です。
自らの中に自然と備わった絶対美学、黄金比が、心地よさを
感じさせます。
デジタルカメラで撮影された植物たちですが、撮影後に余分な
花を消したり、背景を白くしたりという加工はいっさい加えて
おられないということに驚きます。
真っ白な背景のスタジオに、被写体であるお花の鉢や木、実などを
並べられて、撮影する前に予め、どのような作品に仕上げるかを
構成していかれます。
本来は水に浮かんでいる蓮も、生産者さんのもとを訪れ、作品に
適したお花を選ばれます。
いくつもの鉢をスタジオに持ち込んで、このリアリティー溢れる
美しい作品が生み出されていくのです。
2013年3月 4日 (月)
鞆岡隆史の『手』
京都に生まれた鞆岡隆史先生。
竹籠職人を父に、洋裁師を母に持ち、幼い頃から絵画と植物が
大好きな少年だったそうです。
二次元の写実的絵画の、絵なのか写真なのか分からない世界に
惹かれ、ラファエロやダヴィンチを模写。
京都という、優れた日本画や仏像をよく目にすることの出来る
環境にも恵まれて、画家を志すも、ご両親の勧めもあって大学は
デザインを専攻。
写真と出会うことになります。
高校生の頃には花屋で働き、大学時代、庭師とともに寺々のお庭に
植木。
写実的絵画と植物というふたつを愛してきた鞆岡先生に、写真が
加わり、修業を経て、現在は「絵画のような写真」を撮っておられます。
そのスタジオは、愛情が注がれた美しい花々で溢れています。
それほど大きくない『手』に馴染むサイズのデジタルカメラを用いて
撮られる、季節の花や木。
その作品には、自らの身体に自然と内包された優れた美的感覚が
反映されています。
デジタルカメラで描かれた、現代の日本画であり、今日の琳派と
いえます。
最近のコメント