林美木子 五節句板絵「七夕」
七夕に飾りたいと、ご注文を頂いていた彩色絵師・林美木子先生の
板絵「七夕」(しちせき)。
白木の柾目に丁寧に描かれた板絵は、蒸し暑い梅雨の時期に
涼やかさ、雅やかさを感じさせてくれます。
元来、中国の節句のひとつである七夕は、七が重なることから
「双七」とも呼ばれます。
中国の牽牛・織女星の伝説から発した乞巧奠(きこうでん)に、
日本古来の棚機津女(たなばたなつめ)の信仰が混ざり合って、
七夕の行事が形成されました。
そもそも日本ではお盆の行事の一環であり、「棚機」や「棚幡」と
表していましたが、病気や災厄が起こらないよう願いを込めて
精霊棚と幡を安置するのが7日の夕方であることから、「七夕」と
書いて「たなばた」と読むようになりました。
七夕に飾る笹は、霊が宿る依代といわれます。
竹竿に五行説に当てはめた五色の糸をかけて願いを祈るという
乞巧奠の風習に習い、中国文化に影響を受けた貴族たちが
梶の葉に歌を書き付けて手向ける「星祭り」を行うようになりました。
この日にイモの葉の露で墨を磨ると習字が上達する、また織姫の
ように織物、裁縫が上手くなるなど、芸妓の上達を祈る日でも
あります。
今年の七夕の日は、織り姫と彦星が会えるでしょうか。
梅雨の蒸し暑さが続いておりますが、皆様くれぐれもお身体ご自愛
くださいませ。
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