西端良雄の竹の根の杯と 春金柑
西端良雄先生の作品展、あっという間に最終日を迎えました。
今までに見たことのない、新たな試みの作品もお陰様で好評
頂きました。
写真は、西端先生から譲って頂いた杯です。
光沢のある繊細な木目が綺麗な、竹の根っこを使って作られて
います。
土が噛んで、チェーンソーの歯が駄目になってしまうほど、
掘り出すだけでも一苦労だそうですが、作品に仕上がるとなんとも
なめらかな質感で、口当たりの良さを考えながら作られています。
西端先生いわく、「竹は月が育てる」のだそう。
月光を、浴びることによって竹はしなやかに真っ直ぐに伸びていき
ます。
傘を広げて、竹の間を歩けるぐらいの間隔で生えている状態が
最も美しく、不要なものは間引く必要がありますが、竹を切るには
必ず新月の時でないといけないというのが、輪島では暗黙の了解に
なっているようです。
伐採のされない荒れた竹林では、密集しすぎて一本一本に月の
光が当たらなくなってしまいます。
月から来たというかぐや姫が竹の中で見つけれた物語からも、
竹と月の関係は古来の日本人にとって馴染みあることだったの
かもしれませんね。
お料理人のお客様が取り寄せて届けてくださった、「金柑の蜜煮」を
竹の根の杯で頂きました。
大粒の金柑は、南さつまの春姫という種類だそうです。
通常は冬の季節に出回る金柑ですが、春姫は初春に出荷されます。
口にいれると融けてしまうほど、優しく柔らかく炊かれた春姫。
甘くて爽やかな風味が春風のようで、心地よく感じました。
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