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2012年3月 6日 (火)

品川恭子 夜桜の帯

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雑誌『和樂』の中で、森田空美さんが締めておられた帯について
仙台のお客様からお問い合わせを頂戴したのは、ちょうど1年ぐらい
前のことでした。
誰もが愛する桜の文様を、お着物姿に上手く取り入れたいと
いうのは多くの女性にとって、憧れだといえると思います。
雑誌に掲載されたのは森田さんが品川先生に特注なさったという
私物の帯で、濃い紫の地に描かれた夜桜で、季節を少し先取り
なさったお洒落が非常に印象的でした。
品川先生とご相談させて頂いて、森田さんのために描かれた桜の
柄行きに少しアレンジを加えて、お客様のための特別の帯を染めて
頂くことになった後、東日本はあの大震災に見舞われました。

お客様がご無事でおられたことが何よりも幸いでしたが、お住まいも
お仕事場も大変な状況におかれていたご様子、
しかしながら、新たな春には、品川先生の夜桜の帯を締めて
東北の桜を愛でたいと仰って頂き、本当に私共のほうが励まされる
ような思いでした。
永らくお待ち頂いて、先日、無事に特別の帯をお納めさせて頂き
ました。
あえて色調を抑え、何度も染めを重ねて表現された桜は、まるで
月あかりの中に浮かび上がるかのようです。

間もなく大震災より1年。
いまだに過酷な状況の中でお過ごしの方もおみえですが、
桜の開花を心待ちにし、美しい花が多くの方の心を癒し和ませ、
勇気を与えてくれることを祈ります。

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