オートジュエラー森暁雄展
森暁雄先生の、エレガントで美しいべっ甲の簪や櫛。
べっ甲には、人の体温によって僅かに変形する性質があり、
プラスチックなどとは異なる天然素材ならではの繊維の
方向性があって髪に挿した時に簡単にはずり落ちてこない
ため、髪を美しく飾る装飾品として珍重されてきました。
ただし、デリケートな素材ですから、整髪料にはご用心。
お使いになった後に柔らかな布で拭きっとったり、ケアを
して大切にお使い頂きたい逸品です。
我が国に残る最古のべっ甲は、小野妹子が隋より持ち帰った
献上品とされるもので、正倉院御物に見ることが出来ます。
明治の頃にはダイヤや翡翠を埋め込んだり、技術の進歩に
よって生み出された櫛などが、洋装の麗人たちを夜会や
舞踏会で華麗に飾りました。
べっ甲の素材自体の魅力を上手く活かしながら、最高の
美しさを引き出すようにデザインされた森先生の作品には
憧れてしまいます。
結いあげた髪に馴染む曲げ具合や、艶のある美しさは見事です。
和装のみならず、洋装にもお使い頂けるような作品もございます。
| 固定リンク
「企画展のご紹介」カテゴリの記事
- 十時孝好 USAGI(2021.03.01)
- 倉敷ガラス 小谷栄次(2020.06.16)
- 倉敷ガラス 小谷栄次 作品展(2020.05.25)
- 熊野淸貴『篆刻講座』(2020.02.20)
- 上方銀花アーカイブス 第一弾(2020.02.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント