2012年3月
2012年3月31日 (土)
2012年3月30日 (金)
輪島塗 西端良雄 木工展
ギャラリーでは、西端良雄先生の展覧会が始まりました。
初日の今日は、早速に西端先生の大ファンでおられる
お客様方がお出かけくださり、新たな作品を手に、
楽しくお選び頂きました。
特に、新鮮な試みの麻を練り込んだ作品には、とても
感心しておられました。
いつも山荘から、お花を届けてくださるお客様に頂戴した
椿と木蓮を焼締の土瓶に活けて、西端先生の花台に。
気取らず使いやすい西端先生の作品。
上方銀花でもお茶托を使用していますが、お湯のみや
カップを置くのには漆器の柔らかさが非常に勝手が良いの
です。
陶器や金属にはない優しさが、漆器にはあります。
気を張らずに日々の暮らしの中で使えて、丈夫で飽きが
こない魅力が、西端先生の作品から感じられます。
2012年3月29日 (木)
2012年3月26日 (月)
蜂の家「まゆ最中」
森暁雄先生に頂戴した、まゆを象ったかわいい最中。
自由が丘の和菓子さん、蜂の家の名物「まゆ最中」です。
写真は、小倉餡いりです。
食べやすいサイズもうれしい最中には胡麻、白つぶし、柚子、
黒糖と五色の餡がはいって、ふんわりとした香ばしい皮も
それぞれに色が違っていて、見た目にもなんとも愛らしく
和やかな気持ちになるようなお菓子でした。
お陰様で「オートジュエラー森暁雄展」には、大勢のお客様に
お出かけ頂きまして有難うございました。
あっという間の会期でした。
オリジナル作品のオーダーやリフォームも承りましたので、
出来上がりをまたこちらのブログにてご紹介させて頂きたいと
思っています。
黒柳徹子さんからも、美しいお花を頂戴致しました。
有難うございました。
展覧会の会期終了後も、「オートジュエラー アキオ・モリ」の
作品は常設コーナーで少しずつお取り扱いさせて頂いております。
どうぞ引き続き、森暁雄先生の独創的で美しい世界をお楽しみ
くださいませ。
2012年3月25日 (日)
オートジュエラー森暁雄展
今年も宮崎県や高知県などで、桜の開花のニュースが聞かれ
ました。
いよいよ花の季節の到来に、心が弾みます。
森暁雄先生の作品の中にも、桜の蒔絵の作品が多く見られます。
中でも、玲瓏な光沢感のある大粒の南洋真珠に、繊細な表現で
描かれた桜の美しさには息をのむほどです。
加賀の腕利きの職人によって非常に細い毛の筆で描かれる、
桜の花やつぼみ、花びらが、ボリュームのあるホワイトパールに
映えて、可憐で幽玄な世界を生み出しています。
森先生の独創的なアイデアによって、長年にわたる試行錯誤を
経て誕生した作品は、南洋真珠の艶や照りをしっかりと保ち
ながら、漆と純金で描いては乾かすという工程を何度も繰り返し、
作りあげられます。
時を経ると金はより輝いて、花の色はより赤みを増します。
沢山の美しい作品で、「オートジュエラー アキオ・モリ」の世界が
上方の地に花開いた作品展は、明日までの開催でございます。
どうぞお見逃しなく!
2012年3月24日 (土)
柳崇 矢車地花織着尺
お客様のご注文により、柳崇先生に織り上げて頂いた着尺です。
先日、綺麗にお仕立てが上がって参りました。
沖縄本島の読谷、首里、与那国などの伝統の花織をモダンに
アレンジされた着尺は、浮織がドット柄のように全体に入れられて
います。
光沢を抑えたしゃきっと格好いいお着物になりました。
もともと、同じ織り地で墨色の着尺を以前、柳先生に織って頂いた
のですが、その色味よりも淡くやわらかいグレーで、とお客様の
お好みに合わせて染めて頂きました。
柳先生のお着物は草木染めで糸を染めて機にかけられます。
染料に使われた「矢車」は、日本各地に生息するカバノキの落葉
高木で、古くから象牙の根付や木彫りなど工芸品の染めにも
取り入れられてきた植物染料です。
松ぼっくりのような、丸くてかわいい実を煮出します。
とくに象牙との相性はよく、素晴らしい色合いが喜ばれてきたこと
からも、動物性の繊維とよく馴染むことが分かります。
帯合わせが色々と愉しめるような、とてもいい色合いになり
長くご愛用頂けそうです。
2012年3月23日 (金)
オートジュエラー森暁雄展
森暁雄先生の、エレガントで美しいべっ甲の簪や櫛。
べっ甲には、人の体温によって僅かに変形する性質があり、
プラスチックなどとは異なる天然素材ならではの繊維の
方向性があって髪に挿した時に簡単にはずり落ちてこない
ため、髪を美しく飾る装飾品として珍重されてきました。
ただし、デリケートな素材ですから、整髪料にはご用心。
お使いになった後に柔らかな布で拭きっとったり、ケアを
して大切にお使い頂きたい逸品です。
我が国に残る最古のべっ甲は、小野妹子が隋より持ち帰った
献上品とされるもので、正倉院御物に見ることが出来ます。
明治の頃にはダイヤや翡翠を埋め込んだり、技術の進歩に
よって生み出された櫛などが、洋装の麗人たちを夜会や
舞踏会で華麗に飾りました。
べっ甲の素材自体の魅力を上手く活かしながら、最高の
美しさを引き出すようにデザインされた森先生の作品には
憧れてしまいます。
結いあげた髪に馴染む曲げ具合や、艶のある美しさは見事です。
和装のみならず、洋装にもお使い頂けるような作品もございます。
2012年3月22日 (木)
オートジュエラー森暁雄展
象牙とならび、森暁雄先生の作品に取り入れられているべっ甲。
貴重な素材を贅沢に用いておられます。
先生の代表作である「山羊」のモチーフも、象牙のものとは
雰囲気が変わって、また異なった魅力があります。
べっ甲の色味と、金・銀蒔絵とのコントラストが美しく、シックで
エレガントな印象です。
金蒔絵で表を全て覆った、非常に贅沢な作品も。
また、使用される部分によって表情が変わることも、べっ甲の
作品の面白さのひとつです。
黒に近い濃褐色のものから、斑入りの表情豊かなもの、また
べっ甲飴のように透け感がある希少で高価な白べっ甲など、
それぞれのデザインに合わせて、最も良い部分を選んでご制作
されます。
パールやダイヤ、サンゴなど、他の素材との相性も美しく、
個性的でありながらどこかクラシカルな作品です。
2012年3月20日 (火)
オートジュエラー森暁雄展
象牙に金蒔絵や銀蒔絵を施したブローチは、デザインも多彩
です。
やわらかい質感と、品格を感じるシンプルでモダンな作品たち。
時代を越えて生き続ける美を追求する森暁雄先生の作品は、
繊細なディテールも魅力的です。
古くから、適度な弾力に細かな加工がしやすく珍重されてきた
象牙。
正倉院にもべっ甲や珊瑚とともに優れた工芸品が残され、
イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館の根付コレクションの
ように、海外でも精巧な細工のユニークな根付が注目を集め
ました。
音楽においてもピアノの白鍵や三味線のバチ、箏の爪などに
使用されてきました。
森先生の象牙の作品の絶妙なボリュームと温かい風合いは、
多くの人に好まれています。
永くご愛用いただくほどにまろやかな色になり、味わい深く
なってきます。
2012年3月19日 (月)
オートジュエラー森暁雄展
温かみのある象牙を贅沢に用いて、テリが美しいパールと
組み合わせたボリュームのあるブローチ。
乱菊のデザインは、大ぶりのゴージャスなものから
可愛らしい大きさのものまで様々です。
写真の作品は黒真珠を使い、銀蒔絵に螺鈿を施して
おられます。
大小のパールが立体的に組まれていて、いつまでも眺めて
いても見飽きることのない美しい作品です。
大きさや、花びらの彫り方、パールの組み方など一点一点
異なって、ふたつと同じものはありません。
やさしい象牙の質感とパールの光沢感がよく合って、金・銀の
蒔絵がより華やかさを演出しています。
若き頃に訪れたパリで出会った、日本の伝統工芸品とは
違った象牙細工やべっ甲のアクセサリーに衝撃を受けた
森暁雄先生。
洋のモチーフに和の技法を用いた独自の作品は、西洋と
東洋が見事に融合した、森先生だけの世界を作り出して
います。
2012年3月17日 (土)
オートジュエラー森暁雄展
昨日、東京から森暁雄先生がご来廊くださり、お陰様でお店も
賑やかになり、美しいジュエリーの数々とともに楽しいお話にも
華が咲きました。
お客様方と記念のお写真を。
どうも有難うございました。
象牙やべっ甲、サンゴ、真珠などの天然の素材をふんだんに
用いた森暁雄先生の作品は、エレガントで洗練された美しさが
あり、ゴージャスでありながら付けやすさもある不思議な魅力が
漂っています。
その質感は、ぜひ実際にお手にとって頂きたいと思います。
手触りはまろやかで天然素材ならではの温かみがあり、
上方銀花でも多くのお客様を虜にしている作品たち。
西洋アンティークの香りの漂う作品から、日本的なデザインまで
金銀蒔絵や螺鈿を施された作品には、次の世代に伝えていきたい
日本の手仕事の繊細な素晴らしさを改めて感じさせてくれます。
会期中にも作品を追加で補充して頂きますので、ぜひ何度でも
足をお運び頂きたく存じます。
2012年3月15日 (木)
2012年3月13日 (火)
小倉裕史の『手』
3号店では、木工展に引き続き、小倉裕史先生の作品を展示
しております。
ライティングビューローに合うスツールも、新たにお届けください
ました。
大学時代は山岳部に所属、今も登山を趣味とされるだけあって
体型も若々しい小倉先生。
真っ直ぐなお人柄の表れた端正で丁寧な仕事で、家具を中心と
した作品を作られます。
サラリーマンを経て、木工の道へと進まれました。
奈良の山里の工房の辺りは、今年も雪が多かったようです。
美しい木目を生かした「欅拭漆楕円盆」が、昨年の日本伝統工芸
近畿展で大きな賞を受賞されました。
シンプルで飽きがこない家具は、洋室和室を問わず、すんなりと
溶け込んで長くお使い頂けそうです。
オーダー家具のご注文も承っております。
2012年3月12日 (月)
武田浪の『手』
豪快で大胆。
作品にもお人柄が表れた武田浪先生の手は、おおらかな
やさしさが漂っています。
近畿大学では金属工学を専攻し、ボクシング部に所属されて
いましたが中退、陶芸の道へと進まれます。
近藤悠三一門の東憲氏のもとで修業したのち、1969年に
アメリカへと渡られます。
ディズニーの陶器のお人形などを手掛ける会社でセラミック
デザインや製作の仕事をされ、永住権も取得。
ご自身の窯を築いて個展で独創的な作品を発表し、9年間の
滞米の間に、自由な表現方法を得られました。
帰国後は近江舞子に築窯、土と対話し、血の通った作品を
生み出されています。
お若い作家さん方の応援も熱心にされ、人と人とを結ぶ
お役をかってくださることに助けられる方も大勢おられること
だと存じます。
2012年3月11日 (日)
3月11日
東日本大震災より、今日で1年が経ちました。
大阪の地より、祈りを込めて。
これからも決して忘れません。
15日(木)~21日(水)、近鉄百貨店 阿倍野店9階にて
【第30回 雑誌「ミセス」が選んだ味を訪ねて
全国かくれた味 うまい味】 という催しが行われます。
毎年、この時期恒例の催しで、上方銀花では以前に
器を担当させて頂いていたことがありました。
その当時から大変お世話になっております、岩手県の
吉田製麺の吉田社長。
細くてのどごしの良い卵うどんは、冷やしても温かくしても
美味しいおうどんです。
昨年、震災のあとにお電話でようやくご無事が確認出来た
際には、反対に私たちを元気づけてくれたのです。
いつものように大阪に行くからと仰っておられましたが、
催し会場には、東北地方のお店の方のお姿はありません
でした。
吉田製麺さんでも、催しにご出品なさるための麺は必死に
確保なさったそうですが、交通機能が完全にマヒしてしまい
出荷のトラックが出発出来ずに、残念な結果となってしまった
のです。
今回は1年ぶりに、美味しいお味を会場に届けてくださることを
楽しみにしています。
河内小阪駅周辺は、菜の花の盛りです。
2012年3月10日 (土)
武田浪 作陶展
今展では、武田先生と親交の厚い、墨象家の荻野丹雪先生の
掛け軸や、熊野淸貴先生の木工作品も、賛助作品として
ご出品頂いております。
榊莫山の門下でも学ばれた荻野丹雪先生は、書家であり
グラフィックデザイナーというべき方です。
書を基本とした、自由な創作活動をなさっています。
デザインという仕事の中で、伝統的な書に新しい世界観が
加わって、サントリーウイスキー「響」や「南アルプス天然水」
「咲くやこのはな館」など様々なロゴから、NHKの「あすか」
「新撰組!」などの番組タイトルまで多彩にこなし、
書道とグラフィックの融合を切り拓いてこられました。
また、先達ての韓国アーティスト4人展でもお世話になりました
大阪芸術大学教授の熊野淸貴先生は、もともと織りの仕事から
工芸の世界に入られました。
韓国での木工家との出会いがきっかけとなり、朝鮮王朝の
木漆工芸に強く魅せられ、ご自身でも李朝写しの家具などの
美を探究、制作されるようになりました。
書籍「韓国の木工藝」の監修訳出版もなさっておられます。
荻野先生、熊野先生の作品と共に、武田先生の大胆な
やきものが設えられ、見応えがあります。
12日(月)までの開催です。
2012年3月 9日 (金)
2012年3月 8日 (木)
春の訪れ
お客様より頂戴したお花で、いつも心を和まされ春の訪れを
実感しています。
愛らしい桃の花。
桜より早い時期に花開く桃の姿は、花ことばの通りにチャーミング。
この花の美しい色から、「桃色」という色の名が生まれました。
万葉のころから霊力のある木とされてきた桃。
桃から産まれる桃太郎のお話にも通じ、中国では仙人の果実と
いわれて、豊穣と多産の象徴とされています。
また「桃」という漢字も中国から伝わったもので、漢字の中の
「兆」には「懐妊の兆し」の意味があって、桃の花には女性的な
イメージが持たれています。
お雛祭りには桃の花を飾り、その力や加護によって女児の
健やかな成長を祈ります。
3月に入ると、山を淡い薄緑色に染める「アオモジ」。
お客様が三重の山荘のそばで切ってきてくださったものです。
展覧会中の、武田浪先生の徳利に活けました。
通常は岡山より西、特に長崎を中心とした九州西側で
見られることが多いので、関西や中部ではなかなか珍しい
花と言えるかもしれません。
枝先に無数の小さな花を付け、卒業式の前後に花が咲く
ことから「卒業花」、また蕾がそろばん玉のような形をしている
ことから「そろばん花」と呼ばれることもあります。
「アオモジ」という名は同じクスノキ科のクロモジからきたもので、
クロモジに対して緑色がかった枝をしていて、ともに香りが良い
ことから高級爪楊枝の材として用いられます。
2012年3月 6日 (火)
品川恭子 夜桜の帯
雑誌『和樂』の中で、森田空美さんが締めておられた帯について
仙台のお客様からお問い合わせを頂戴したのは、ちょうど1年ぐらい
前のことでした。
誰もが愛する桜の文様を、お着物姿に上手く取り入れたいと
いうのは多くの女性にとって、憧れだといえると思います。
雑誌に掲載されたのは森田さんが品川先生に特注なさったという
私物の帯で、濃い紫の地に描かれた夜桜で、季節を少し先取り
なさったお洒落が非常に印象的でした。
品川先生とご相談させて頂いて、森田さんのために描かれた桜の
柄行きに少しアレンジを加えて、お客様のための特別の帯を染めて
頂くことになった後、東日本はあの大震災に見舞われました。
お客様がご無事でおられたことが何よりも幸いでしたが、お住まいも
お仕事場も大変な状況におかれていたご様子、
しかしながら、新たな春には、品川先生の夜桜の帯を締めて
東北の桜を愛でたいと仰って頂き、本当に私共のほうが励まされる
ような思いでした。
永らくお待ち頂いて、先日、無事に特別の帯をお納めさせて頂き
ました。
あえて色調を抑え、何度も染めを重ねて表現された桜は、まるで
月あかりの中に浮かび上がるかのようです。
間もなく大震災より1年。
いまだに過酷な状況の中でお過ごしの方もおみえですが、
桜の開花を心待ちにし、美しい花が多くの方の心を癒し和ませ、
勇気を与えてくれることを祈ります。
2012年3月 5日 (月)
武田浪 作陶展
若き日に渡米し、セラミックデザインのお仕事に携わっておられた
武田先生。
在米の八島太郎画伯に師事し、学ばれたことも作品の中に
大いに活かされています。
自由なタッチで絵付けされた、赤絵の作品。
琵琶湖に生息する、いさざという魚が描かれています。
ちょうど今頃の季節から漁が始まる、体長4センチほどのハゼの
一種です。
写真の酒器の口は、竹に漆を施したものが組み合わされて
います。
日常に愛用する内に口を欠けさせる方がおられることから、
上手く考えられた作品です。
お酒のキレもよく、漆の朱が赤絵の酒器とよく合っています。
俎皿や片口、壷などにも画かれたいさざは、まるで作品の
上で跳ねているかのごとく躍動的で魅力があります。
2012年3月 3日 (土)
武田浪 作陶展
武田先生が、ご自宅のお庭に咲く白椿をご持参くださったので
活けました。
鬼ヶ島や粉引の花器の肌合いに、椿の凛とした姿がよく
映えます。
大きなお花の椿は、年中青い葉も美しく武田先生の作品に
似合います。
先生が在廊して下さった2日間、先生の作品のファンの方が
お見えくださいました。
お若いお料理屋さんのご夫妻もお越しくださり、料理屋さんの
視点で熱心に作品をご高覧くださり嬉しいことでした。
もともと修業されたお店の御主人が武田先生の作品のファンで、
立派な大皿などお手にしてこられたそうです。
谷町6丁目の「味酒かむなび」さんは、日本酒と、美味しい肴を
愉しめるお店だそうです。
器にもこだわる素敵なご夫妻。
各地の地酒も豊富に揃えておられるそうですので、ぜひその
お味も堪能しに伺いたいものです。
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