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2011年12月12日 (月)

松﨑融の『手』 ②

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野球少年の手が大きくなり、木に命を刻みこむ手になりました。
大きくて分厚い、松﨑融先生の『手』です。
大学を卒業後、野球部の監督をつとめるほどのスポーツマン。
師も持たず我流で作った、欅の分厚い板を刳り抜いた額に、
たっぷり朱漆を塗った作品が、染織家・故 芹沢銈介氏の
目にとまりガラス絵や板絵を入れて一世風靡したのが40年
前になります。

岐阜県から取り寄せた銘木の欅や栃などの材木を、
何年も何年も乾かして、粗彫りをしてまたさらに乾かす。
埋もれるくらいの木地と木屑に囲まれて制作させる姿は
力強く、その大きな手から美しい無二の形が生み出されます。

その仕事は、ご子息に引き継がれようとしています。
松﨑先生とご一緒にご来店くださった奥様が、漆のお着物に
伊兵衛織の帯のすてきなお姿にあわせておられた髪留めは、
ご子息の作品でした。
これから長い修行を経て、松﨑先生の精神を引き継ぎ、
どのような作品が生み出されることでしょう。
たいへん頼もしく、楽しみなことです。

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