林美木子 五節句板絵「重陽」
彩色絵師・林美木子先生の五節句の板絵より、「重陽」の
節句をご注文いただきました。
お納めまで、永らくお待ち頂きました。
彩色という技法は、古くから祈りの対象でありました。
日本では平安時代に、中国風の唐絵に対して、和やかに
森羅万象を写し雅味のある生活の様子を描いた大和絵が
生まれました。
人形作家・人間国宝 林駒夫先生を父に持つ、有職彩色
絵師・林美木子先生は、優美で気品漂う大和絵の復興に
力を注いでおられます。
その作品は、深く日本人の心に沁み渡ってきた、我が国
ならではの美意識や潤いを、改めて感じさせてくれます。
五節句は中国に端を発し、季節の節目に心豊かに、
そして家族が健康に暮らせることを祝う行事です。
9月9日は「重陽」の節句。
陽の数である九が重なることから縁起のいい日とされ、
「重九」が「長久」に通じることからお目出度く、五節句を
締めくくる行事として、昔は最も盛んに行われたそうです。
旧暦の9月9日は菊の盛りであることから「菊の節句」、
また、作物が豊かに実りを迎える頃であることから「栗の
節句」とも呼ばれます。
稲作を中心とした五穀豊穣の祈りは、古くから日本人に
とって大切なことであったのですね。
板絵は、厄払いに用いる茱萸袋に、長命を願う黄、白菊が
描かれた有職の伝統的な図柄です。
次の年の端午の節句に薬玉と掛けかえられるまで、飾って
頂けます。
桐の板に、胡粉の置き上げ技法によって雅やかに描かれた
菊の表現が、生き生きとして見事です。
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