2011年9月
2011年9月30日 (金)
2011年9月29日 (木)
MIEKO MINTZ & Monica Castiglioni
ミエコ・ミンツさんの、お洋服の展覧会が始っています。
一枚で、さまざまな着方が楽しめるカットソーを始め、
オリジナリティあふれるお洋服。
発色の美しいレーヨンスパンデックスの生地は、軽くて
柔らかい肌触りが気持ちよく、今の季節にぴったり。
しわにならないので旅先でも重宝しそうです。
その他にも、日本の刺子のようにステッチを施した
鮮やかなインドのカンタ刺繍のコートやジャケット、
身体に添う仕立てが綺麗で温かい圧縮ウールのコートも、
お洒落な作品が届いています。
上方銀花では初登場となる、モニカ・カスティオーニの
ジュエリーもご一緒にご高覧ください。
日本人の肌によく馴染むブロンズを使用したシリーズが
届いています。
2本の指に挿すデザインは、ボリュームがありながら
不思議と着けやすく、細胞が増殖していくかのような
動きのある細工が目をひきます。
3日までの開催です。
ぜひご高覧くださいませ。
2011年9月27日 (火)
2011年9月26日 (月)
オートジュエラー アキオ・モリのアクセサリー
オリジナリティあふれる作品を、精力的に発表し続けて
おられる森暁雄先生。
べっ甲や象牙に金銀蒔絵を巧みに施したブローチや
リング、イヤリングは、ひと目で森先生の作品だとわかる
個性とパワーがあり、私たちを魅了し続けます。
秋冬の装いによく馴染むアクセサリーを届けてください
ました。普段使いに楽しんで頂けるような、カジュアルな
シリーズです。
ひとつずつに表情が異なって奥深さのあるべっ甲を
用いたリングやブローチ、
オニキスに淡水パールやクオーツなどを合わせた
重ねづけも楽しいロングネックレスなど。
ゴージャス感はありながら、お求め頂きやすい価格が
嬉しいアクセサリーです。
色々と届いておりますので、ぜひお手にとってお試し
くださいませ。
天然素材の温かさ、優しさ、美しさを感じて頂きたいと
存じます。
べっ甲のリング 15,750円~
オニキスと淡水パールのネックレス 21,000円~
2011年9月25日 (日)
2011年9月24日 (土)
五月ヶ瀬煎餅と けし餅
お客様より頂戴した美味しいお菓子で、ほっと一息。
ティータイムです。
福井県の銘菓、「五月ヶ瀬煎餅」。
香ばしい落花生がびっしり入った、食べ応えのあるお煎餅
です。
石窯で手焼きされるお煎餅は、バターと卵の風味が
まろやかで、お茶にもコーヒーにもよく合います。
福井にはバリエーション豊かな美味しいお菓子が多くて、
いつも美味しく嬉しく頂戴しています。
(お皿は西端良雄 作)
こちらは堺の老舗、小島屋の「けし餅」。
千利休によって広められた茶の湯の習慣から、堺では
多くの銘菓が生まれました。
こしあんを柔らかいお餅で包み、けしの実をまぶして
います。
優しい甘さで、ぺろりと頂いてしまいました。
(豆皿は松崎融 作)
落花生とけしの実、どちらも食感が面白くて美味しい
お菓子でした。
ご馳走さまでした。
2011年9月23日 (金)
彼岸花
雨の心配な台風が過ぎ、穏やかな日となりました。
夏の気配が残りつつ、空の色や雲のカタチに秋の深まりを
感じます。
秋分の日の今日は、祖先を敬って故人を偲びながら、
秋の実りに感謝しておはぎを頂きました。
秋のお彼岸のころに、毎年忘れずに咲く彼岸花。
田んぼのあぜ道や土手に、放射状の花火のような真っ赤な
花が咲き、黄金色の稲穂や、草木の緑、秋の空の色と
相まって、実に印象的な景色になります。
日本では不吉な呼び名があったり、有毒であることへの
警戒からか、子供のころ、彼岸花を摘んで帰ると家が火事に
なるなどとよく言われたものです。
別名の「曼樹沙華」は「天上の花」を意味し、慶事が起こる
前触れには赤い花が天から降ってくるという、仏教の経典に
由来します。
写真は、小津安二郎監督の映画「彼岸花」のワンシーン。
山本富士子さんが着ているのは、浦野理一先生のきものです。
「秋刀魚の味」の岩下志麻さんや、「秋日和」「小早川家の秋」の
原節子さん。小津監督は、映画に出演される女優さんたちに
浦野理一先生のきものを好んで着せました。
小紋や紬、絣など、素朴で端正な、味わいのあるきもの姿に
憧れた方は多いことでしょう。
お彼岸が過ぎて一層季節が深まりますと、きものには気持ちの
良い季節となります。
上方銀花でも、秋らしいきものをご紹介させて頂けるように
考えています。お楽しみになさって下さい。
急な気温の変化には、皆様くれぐれも体調を崩されません
ように。
お店の前の蓮の葉に、かわいいお客さんが来ていました。
2011年9月22日 (木)
VAGRIE 子安一子バッグ展
フォーマルバッグにも、子安先生らしい軽くてチャーミングな
ものを、おすすめ致します。
ドレスのような愛らしいデザインが人気のバッグ。
2階建ての構造になっているので、浅めの上の段と沢山入る
下の段を上手く使い分けて頂くことで、非常に重宝します。
普段のお出かけにはポイントになる赤いストラップを、
附属の黒いストラップに付け替えて頂くと仏事にもお使い
頂けます。
こちらは、仏事にはハンカチやお数珠、お香典などをきちんと
入れることが出来て、真中のポケットをお財布としてお使い
頂けるバッグ。
ゴールドのストラップが別に付いていて、華やかな印象にも
変化します。
仏事には布の面を表に、慶事には牛革の面を表にして。
きちんとした印象の、エレガントなバッグです。
共に、お荷物が増えても安心な、布製のフォーマルバッグが
付くようになりました。
ヴァグリエのバッグ展は、明日までの開催です。
ライフスタイルの良きパートナーとなってくれる、愛着を持って
お使い頂けるような使いやすいバッグ。
手放せなくなる、必需品となることでしょう。
ぜひご高覧くださいませ。
上から 34,650円
48,300円
2011年9月20日 (火)
MIEKO MINTZ & Monica Castiglioni
デザイナーとして、(株)ワールドなどで12年間勤務された
のちに渡米。
現在はニューヨークのソーホーにオリジナル・ブランドの
アトリエを構えるミエコ・ミンツさん。
上方銀花でも、素材感にこだわった着心地のよいお洋服を
ご紹介させてもらっています。
一枚で何通りにも変化するジャケットや、カットソーには
いつも驚かされます。
軽くて身体に綺麗に添うので、すっきりと着こなして頂けます。
今回、新作の秋冬物を5日間のみ、特別に展示させて
頂くことになりました。
通常よりもかなり短い会期となりますので、どうぞお見逃しの
ございませんように。
ミエコ・ミンツのお洋服によく似合う、モニカ・カスティオーニの
ジュエリーもミラノより今回初めて届きます。
植物がデザインのヒントになった、有機的な動きのある
モニカのリングは、ボリュームがありながら不思議と違和感
なく挿して頂ける作品です。
9月29日(木)~10月3日(月)の5日間のみの展覧会です。
お楽しみに!
2011年9月19日 (月)
VAGRIE 子安一子バッグ展
毎日使うお財布にこそ、使い勝手が良くて飽きの来ない
デザインを持ちたいものです。
長年のヴァグリエの定番である長財布は、ほうぼうで
コピーが見られるほどです。
1ミリの差があっても使い勝手の差が出るお財布は、
何度も試行錯誤を繰り返したうえで生み出された、
考えに考え抜かれた作品です。
そのデザインには無駄がなく、シンプルでいて大人の
女性に合う美しさがあります。
ファスナーをひとつ開けるだけで、お札やカード、
そして小銭まで一度に収納することが出来て、便利です。
小銭を真ん中のポケットに入れるのですが、これが
使い始めてみるとなんとも具合が良くて、上方銀花でも
スタッフ全員が使用しています。
素材やカラーも豊富で、普段使いとお出かけ用と、
お客様方にも、いつくもお持ち頂いています。
写真は、発色の美しいトカゲと牛革を合わせたお財布
です。
各29,400円
2011年9月18日 (日)
VAGRIE 子安一子バッグ展
定番で人気のあるリュック。
手持ちのバッグや、ワンショルダーにもなる機能性が根強い
人気の秘訣です。
シーズン事に配色を変えて発表されるので、色変わりで
何点も愛用しておられる方もいらっしゃいます。
今シーズンのカラーは、黒のナイロンにガラス加工を施して
艶のあるスモーキーグレーの牛革のコンビです。
部分的に使われたダークレッドがポイントになって、お洒落感が
増しています。
A4サイズの書類が入るので、ビジネスシーンにも重宝し、
男性ファンもみえます。
旅行にも活躍してくれそうな、大きめサイズのリュックも
届いています。
こちらは少しシボのあるカーキ色のナイロンに、シルバー
グレーの牛革を合わせて。
カジュアルであって、どこかエレガント。
どちらも軽くて丈夫なバッグです。
お使い頂くほどに、その機能性を実感していただけること
でしょう。
上から31,500円
43,050円
2011年9月17日 (土)
2011年9月16日 (金)
VAGRIE 子安一子バッグ展
マットクロコのバッグは、女性にとって永遠の憧れです。
持った時に斜めになるアシンメトリーなデザインのバッグは、
折りたたんでクラッチバッグにもなる、存在感のある
ヴァグリエの初期からの代表作です。
あけびのカゴが、子安先生のデザインのヒントになって、
「神様から授かって生まれた」のだそうです。
贅沢な最高級の素材を使用した、子安先生らしいシンプルさの
中に遊び心を感じさせるバッグは、使いこむほどに味わいを
増し、持ちこなす女性の姿には粋を極めた大人の風格が
漂います。
上品な小ぶりのトートや、ころんとした姿がかわいらしい
新作のバッグなど、今回は丈夫で飽きのこないクロコの
シリーズを充実させて頂いています。
かっちりとしたイメージの強いクロコのバッグですが、
子安先生独自のエッセンスで味付けされたクロコのバッグは、
一味違ったデザインが魅力です。
贅沢な素材をさりげなく持ちこなして頂きたい、まさに
使う人が誇りに思えるような作品です。
上から399,000円
220,500円
231,000円
2011年9月15日 (木)
VAGRIE 子安一子バッグ展
「大人の女性のために、ほんもののバッグを創りたい。」
そんな想いからスタートされた、子安一子先生デザインの
ヴァグリエ。
大阪から、世界に発信し続けるバッグのクチュリエとして
30年を迎えようとしています。
子安先生の哲学から生み出されるバッグには無駄がなく、
見て美しく使って機能的。
流行に左右されないデザインや、使い勝手のよさから、
新色が発表されるたびに、同じバッグの色違いを求める
方もおられるほどです。
牛革のクロコ型押し素材は、前回の個展の時から仲間
入りした新たなシリーズです。
今年のカラーは、こっくりとしたブラウン。
ヴァグリエのバッグに使用される型押しの革は、一見、
型押しとは気が付かないほど、高級感があり上質な
素材です。
ナイロンと合わせることによってとても軽く、よりモダンに
仕上がっています。
DMにも使用した上のバッグはバケツ型。口は巾着のように
閉じることができます。
トートバッグは、おきものにも相性が良さそうです。
持ち手は非常にしなやかで柔らかい牛革です。
共に39,900円
2011年9月13日 (火)
VAGRIE展 始まりました
昨日12日より、皆様にお楽しみにお待ち頂いておりました
VAGRIE展が始まりました。
デザイナーの子安一子先生も朝早くからご来廊下さり、
初日から、沢山のお客様方にお出かけ頂きまして、
お陰様で大変賑やかで楽しい日となりました。
使いやすさを追求した職人泣かせのバッグですが、デザインや
色使い、素材のセレクトなどに、子安先生ならではの美意識を
感じ、エレガントでありチャーミングな作品になっています。
いつも活動的でかわいらしい、子安先生です。
また、昨日はオーナー神立順子の誕生日でもあり、
子安先生にもご一緒にお祝いをして頂きました。
大切なお友達より贈って頂いたお花が、ギャラリーを美しく
彩ってくれています。
展示中の作品も、またこちらのブログでご紹介して参ります。
2011年9月12日 (月)
26周年 ありがとうございます
9月11日は、上方銀花にとってとても大切な日でした。
お陰様で、26周年を迎えることが出来ました。
毎年、この記念の日を迎えるたびに、あたたかい
お客様方に支えて頂いていることを実感します。
皆様方にパワーを頂戴して、ここまで続けることが
出来ましこと、本当にありがたく感謝しています。
昨日には、先日お母さんがお誕生日を迎えたことも
あって、お客様ご夫妻が、かわいいお花を届けて
くださいました。
お母さんとのお話を、いつも楽しみにしてくださって
いるステキなご夫妻とお母さんで、記念のお写真を
撮らせて頂きました。
お母さんと同日が誕生日のスタッフにも、あたたかい
お心遣いをいただきました。
お花は、人を幸せな笑顔にしてくれます。
本当にありがとうございました。
上方銀花が皆様と共に、笑顔がいっぱいの幸せな
空間であり続けることが出来ますように…。
これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2011年9月11日 (日)
2011年9月10日 (土)
御菓子司 養老軒の「秋どら」
お月さまが綺麗な季節を迎えました。
旧暦の8月15日に月を愛で、秋の収穫に感謝をするお月見。
「中秋の名月」や「十五夜」と呼ばれ、各地で古くから行われて
います。
満月のようにまん丸で、きれいな卵色の養老軒の「秋どら」。
お客様が大好物を名古屋からお取り寄せして、お届け下さい
ました。
中には栗が入った生クリームが挟まれていて、季節ごとの
お味が楽しめるそうです。
やさしい甘さのクリームに栗の風味がマッチして、卵たっぷりの
ふんわりとした生地とよく合います。
冷やして美味しく頂戴しました。
お皿は、輪島の西端良雄先生の作品です。
今年の中秋の名月は9月12日で、6年ぶりに満月の日と重なり
ます。
日本では満月は豊穣のシンボルであり、月光には特別に
神秘的な力が宿っていると信じられてきました。
お月見に欠かすことの出来ないススキは秋の七草のひとつで、
茅葺き屋根に使用されたり、農耕の様々な場面で利用されて
きたことから、霊力があると言われて、お月様にお供えする
ようになったようです。
12日には、美しいお月さまが楽しめますように。
2011年9月 9日 (金)
男の子の宮参り初着
先日ご紹介致しました女の子の宮参り初着と同じく、上方銀花
では初着の御誂えを承っております。
お宮参りは子供の無事の成長を祈るとともに、氏子として
社会の一員と認められるための大切な儀礼です。
こちらは濃い紺色に、ぼかしで霞を表現したお着物です。
紋が浮き立ち、格式のある初着となります。
生地は、紗綾形の地紋のある、しっかりとした厚手の綸子です。
一つ身にお仕立てしております。
こちらは色無地にお染めした四つ身の初着から、五歳の
お祝い着にお仕立て直しをしたものです。
濃淡のある2色の色無地を、お宮参りの際には2枚重ねで
掛け着にします。
五歳のお参りの際には、2枚あった上を羽織にお仕立てし、
下を着物にお仕立てしています。
お参りになる時に、「噺家さんみたいでかわいいね~」と
声を掛けられたのだとか!
袴を合わせて、粋でありながら、子供らしい上品さも兼ね
備えたお姿になります。
平安時代の女性が十二単で何枚もの衣裳を重ねたように、
四季折々の自然を色に映し、衣裳に映そうとしたことは
日本の美意識です。
吉岡幸雄先生が研究しておられる「襲の色目」のように
重ねる色の組み合わせによって花の名を表したり、豊かな
四季や雪月花の移り変わりの中で育まれた日本人の
感性が衣裳に映されてきたのです。
濃い色と淡い色の調和の美しさであったり、色の対比を
愉しんだり…
生まれてきたお子様の、健やかな成長を祈る衣裳にも
様々な思いや願いが込められています。
また、ぼかしや色無地はお色目によって、女の子の初着
にもかわいらしいものになります。
2011年9月 8日 (木)
2011年9月 6日 (火)
女の子の宮参り初着
新しい家族の誕生を喜び、健やかな成長を心から願って誂える
祝福の着物。
無事に産まれてきてくれたことへの感謝を込めて、氏神様に
参拝祈願をするお祝い事が、お宮参りです。
大切な命を慈しむ心が守り、幾世代も受け継がれてきた日本の
伝統的な行事は、次の世代にも確かに繋いでいきたいものです。
赤地に鈴の文様がかわいい、女の子のお宮参りの祝い着。
赤ちゃんが人生の一歩を踏み出す記念の日を祝う、晴れやかで
品のよい初着です。
初着には背中に縫い目のない一つ身の着物に、背紋や背守りを
配したものを目にされることが多いかもしれませんが、四つ身に
お仕立をした初着は、三歳のお祝いの時には結び紐をはずして
お袖を丸く縫い直し、肩揚げ、また2重の腰揚げをして、お召しに
なることができます。
蹴鞠を染めた愛らしいピンクのお着物は、もともと初着であった
ものを、三歳のお祝い着として縫い直したものです。
被布を合わせて、子供らしい可愛らしさが引き立つお姿に
なります。
また、七歳のお祝いには、二重に揚げた腰揚げをはずし、
成長に合わせて一重に揚げ、本仕立ての帯を締めて、
しごきやはこせこを合わせて一層、雅やかで晴れやかな
お姿に。
日ごとの目覚ましい成長を喜び、祝い、重ねる歳月。
健やかに迎える節目に、お子さんの成長に合わせて着物を
楽に着られるようにする先人の知恵と願いが込められて
います。
2011年9月 5日 (月)
林美木子 五節句板絵「重陽」
彩色絵師・林美木子先生の五節句の板絵より、「重陽」の
節句をご注文いただきました。
お納めまで、永らくお待ち頂きました。
彩色という技法は、古くから祈りの対象でありました。
日本では平安時代に、中国風の唐絵に対して、和やかに
森羅万象を写し雅味のある生活の様子を描いた大和絵が
生まれました。
人形作家・人間国宝 林駒夫先生を父に持つ、有職彩色
絵師・林美木子先生は、優美で気品漂う大和絵の復興に
力を注いでおられます。
その作品は、深く日本人の心に沁み渡ってきた、我が国
ならではの美意識や潤いを、改めて感じさせてくれます。
五節句は中国に端を発し、季節の節目に心豊かに、
そして家族が健康に暮らせることを祝う行事です。
9月9日は「重陽」の節句。
陽の数である九が重なることから縁起のいい日とされ、
「重九」が「長久」に通じることからお目出度く、五節句を
締めくくる行事として、昔は最も盛んに行われたそうです。
旧暦の9月9日は菊の盛りであることから「菊の節句」、
また、作物が豊かに実りを迎える頃であることから「栗の
節句」とも呼ばれます。
稲作を中心とした五穀豊穣の祈りは、古くから日本人に
とって大切なことであったのですね。
板絵は、厄払いに用いる茱萸袋に、長命を願う黄、白菊が
描かれた有職の伝統的な図柄です。
次の年の端午の節句に薬玉と掛けかえられるまで、飾って
頂けます。
桐の板に、胡粉の置き上げ技法によって雅やかに描かれた
菊の表現が、生き生きとして見事です。
2011年9月 4日 (日)
熊野淸貴の『手』
綴織の仕事から作家への道が始った熊野淸貴先生。
現在は、木工や漆の作品を中心に精力的に発表して
おられます。
韓国の文化の奥深さや、人々の明るさに魅せられて
フットワーク軽く日本と韓国を行き来しておられます。
李朝家具に学んだ木工作品は端正で、水銀朱の
鮮やかな漆の作品は、使うほどに朱が冴えて美しい
力強さを感じさせます。
韓国の作家の工芸やアートを日本に広く紹介することを
自らの使命とし、また反対に韓国で日本の作家さんの
企画をされることもあり、国を超えて素晴らしい作品を
届けてくださいます。
発表の場を提供してもらうことは、作家さんたちにとって
何よりの応援になるはずです。
誰からも慕われる作家の、大きな「手」です。
2011年9月 2日 (金)
近江へ 作家さんを訪ねて②
熊野淸貴先生のアトリエで、昼食をご馳走になりました。
先生お手製の韓国料理です。
2008年の8月に上方銀花で個展をして頂いた、韓国の
若き陶芸家・任英柱先生と、ジュエリーの女流作家さん方の
お世話をして頂いたのが、熊野先生でした。
普段から韓国には頻繁に通われ、韓国の作家さん方の
優れた作品を、日本で広く紹介しようと熱心に活躍して
おられます。
先生ご自身は織や漆などの工芸について、大阪芸大で
教鞭をとっておられます。
茅葺きの古民家を改築されたアトリエには、数台の織り機や
色鮮やかに染められた糸、ご自身の作品、また韓国や
日本国内で求められた古い民具から若い作家さん達の
作品まで、さまざまなお宝で溢れていて、男の隠れ家と
でもいうべき雰囲気で素敵でした。
辞書の中から好きな書体を選んで、熊野先生に篆刻を
教わりました。
先生に手直しして頂いたお陰で、なかなか素敵な
出来上がりではないでしょうか?
とても面倒見のいいお人柄に、多くの生徒さんや作家さん
にも慕われている熊野先生。
また良い形で、上方銀花でも催しを企画させて頂きたいと
考えています。
2011年9月 1日 (木)
近江へ 作家さんを訪ねて①
今日から9月。
芸術の秋の到来です。
昨日、大阪芸大の熊野淸貴先生のご紹介で、近江舞子で
作陶をなさっておられる武田浪先生にお目にかかることが
出来ました。
お若いころに渡米され、セラミックのデザイナーとして活躍し、
永住権も取得なさったという武田先生。
ご帰国後に近江舞子に窯を築かれ、土と炎と向かい合って
おられる日々です。
その作品は、生き物のように力強くダイナミックで自由。
琵琶湖の周辺の良い土を使われた「鬼が島」や、沖縄の
土と窯で焼かれた「南蛮」など、土の色と炎の色が生み出す
色彩に、原始からの自然や人間の本質を見るようです。
武田先生は、ご自身より若い作家さんの応援にも情熱を
持っておられる方で、展覧会の会場などで求めてこられた
作家さん方の作品が沢山。
ひとつひとつ愛おしそうに手にされていました。
左より武田浪先生、上方銀花オーナー神立順子、武田先生の
奥さま。
先生のお話の中で心に残った、「徳を積む」ということ。
そのかたちは人それそれでしょうが、私たちがギャラリストと
して出来ることとは。
美しいものや面白いもの、個性的なもの、お客様とともに
語り合い分かち合って、楽しみや喜びや幸せの種をまきを
出来る場所でありたい。
それぞれの作品が、お客様のもとで花開いてくれると嬉しい。
そんなことを思いながら、楽しく過ごさせて頂きました。
倉敷にお出かけでおられた武田先生と奥さまは、当日の
朝にご帰宅なさったばかりだったそうです。
お疲れのところ、温かく迎えて頂き、本当に有難うございました。
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