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2011年8月

2011年8月30日 (火)

福田正孝 ひごのかみ

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かつてはやんちゃな少年たちの必需品であった、肥後守。
戦前の日本では、折りたたみ式ナイフを手にして子供達は
元気いっぱい野山を駆け巡っていたものです。
1950年代後半頃には、鉛筆を削る文房具のひとつとして
小学校でも日常的に使われていました。
その習慣も、カッターナイフや鉛筆削りの普及によって
次第に失われ、現代の子供たちにとっては馴染みのある
日常品ではなくなってしまいました。
現在では、三木市の鍛冶屋さんによって「肥後守」が
登録商標となってているそうです。
熱心なコレクターや愛好者が多く、静かなブームとなって
います。

3月の福田正孝先生の個展の折にも、話題を集めたのが
「ひごのかみ」でした。
実際に幼い頃に学校で肥後守をお使いになられたという
お客様より、オーダーを承りました。
ノスタルジーを誘う折りたたみのナイフも、世界中に
ファンを持つ名カスタムナイフ・メーカーの手によって、
美しい作品へと生み出されました。
ハンドルには、かりんの木と見事な照りの白蝶貝が使われて
います。
シャープなブレードラインと、天然素材によるハンドルの
柔らかな質感のコントラストが目を惹きます。

ちょっぴり贅沢なカスタムナイフのひごのかみですが、
ぜひ日常の生活の中で使いたいと、お客様にもお喜び頂き
ました。

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2011年8月29日 (月)

小谷真三のガラス鉢

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倉敷ガラス・小谷真三先生の作品をお求め頂きました
お客様より、早速に夕食後のデザートにお使い頂いたと、
嬉しいメールとステキなお写真を頂戴致しました。
小谷先生の作品を代表するともいえる、美しいブルー。
ぶどうを盛った小鉢が光を浴びて、テーブルに映り込んだ
様子もきれいです。
倉敷ガラスの歴史が詰まった、透明のコップで召し上がられた
のは炭酸水でしょうか。
気泡とコップのモールが生み出す陰影は、1日の締めくくりに
至福のひと時を演出してくれそうです。

このように愛着をもってご愛用頂けることは、私どもにとっても
この上ない喜びです。
小谷先生のお人柄を感じさせるような、大らかでゆったりと
したガラスの作品は、とろりとした質感が魅力的です。
以前から大切にお使いになられていた作品も、拝見させて
頂き、とても感激しました。
小谷先生の器や花器が、日々の暮らしのなかで癒しを感じ
させてくれる作品でありますように…!
本当に有難うございました。

10月には、上方銀花にて小谷先生の展覧会を予定しています。
暑さの残る中、個展用の作品に取り組んで下さっております
ので、どうぞご期待くださいませ。

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2011年8月28日 (日)

柳崇の帯

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国産の絹にこだわり、糸を染め、機にかけて織り上げ、
仕上げるまでの全ての工程をお一人で手掛けておられる
柳崇先生。

その手織りの着物や帯の作品は、出来上がりの印象を
大きく左右する糸の力を強く感じさせます。
艶やかな光沢と、端正な織りは、上方銀花でも多くの
お客様方の心を捉え、新作が入荷するたびに、私たちも
興奮で震えるような思いです。
一度に届く作品はわずかですが、お父上の悦博先生から
受継がれた精神のもと、真摯に作品と向き合い
織り上げられる帯や着物は、いつも話題を集めています。

今日も、新作が織り上がったのでと、帯を2点、お送り
くださいました。
お届け頂いた作品の中に、女優・樋口可南子さんが本の
表紙で締めておられる帯と同じものがありました。

昨年10月の個展の折に、ご注文を頂いて織り上がりを
お楽しみにお待ち頂いているお客様方もおられます。
今回届けて頂いたもう一点のめがね織の帯と共に、
これまでにお送り頂いていました作品もご紹介致します。
お時間を頂きますが、オーダーも承っております。

これから秋本番に向かい、きものを愉しんで頂くのに
気持ちいい季節がやってくるのが楽しみですね。

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2011年8月27日 (土)

辻村塊 作品搬入

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昨日、辻村塊先生が大きな車で、作品を搬入してくださいました。

車いっぱいに積まれていた大きな壺を初め、粉引や伊賀、信楽の
花器や、汲出・向付・皿などの器の作品を3号店に置かせて
頂いています。
実はこれらの作品は、これから海を渡り、姉妹店である一穂堂の
ニューヨーク・チェルシーのギャラリーで展示するために運んで
頂いたものです。

日本のみならず、ニューヨークにも多くのファンを持つ辻村先生の
魅力あふれるの作品たちは、早速に上方銀花でもご来店くださった
お客様方や、お店の前を通られる方々の目を惹き付けています。

今回届けて頂いた作品は間もなく旅立ってしまいますが、
また作品のお取り寄せはさせて頂きますのでお心に残るものが
ございましたらお気軽にご相談くださいませ。

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2011年8月25日 (木)

倉橋佳子 番組放送のお知らせ

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『ぶらり途中下車の旅』

BS日テレ(衛星4ch) 8月27日(土) 17時~ 放送予定の
番組にて、メタルビーズの倉橋佳子先生のアトリエが紹介
されます。

1972年にご家族で移住された地・パリでの、アンティークの
メタルビーズバッグとの運命的な出逢い…。
アール・デコの時代に貴婦人たちに愛された美しいバッグに、
倉橋先生は一瞬で心を奪われ、帰国後にフランスでも既に
失われていたその芸術的なバッグの復刻に心血を注がれ、
永い歳月をかけて幻のメタルビーズを独自に蘇らせるという
快挙を成し遂げられました。
直径1ミリにも満たないメタルビーズにかけた情熱が花開き、
その作品は出逢いの地であるパリでも里帰り展として展示され、
多くのパリジェンヌ達を魅了したのです。

誇り高く煌めくメタルビーズバッグを生み出されるアトリエを、
女優のかとうかず子さんが「ぶ・ら・り」と訪問されたご様子が
放送されるそうです。
復刻に懸けた倉橋先生の情熱を、感じて頂きたく存じます。

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2011年8月23日 (火)

河村守 リングのリフォーム

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お得意様にオーダーを頂きましたリングです。

お友達から譲られた、フローレンス・モザイクのアンティークの
ブローチを、丁寧な仕事に定評のある河村守先生に、使いやすい
シルバーのリングへと作り変えて頂きました。

フローレンスとは、現在のフィレンツェの地方の町です。
黒い大理石やオニキスを土台にして、アゲートやカルセドニー、
ラピス、トルコ石などの色石を、隙間なく象嵌したモザイクが
19世紀に流行しました。
凹凸のない表面は、まるで絵画のようです。
もとは小ぶりの愛らしいブローチでしたが、その石をリングに
お仕立てするとボリュームがあって面白い作品になりました。
アンティークの持ち味を生かして、石の周りを紐を捩じったような
デザインで囲み、シルバーの輝きを抑えたヘアライン仕上げを
巧みに用いたリングです。
時を経るごとにシルバーが味わい深く変色し、また違った魅力を
醸し出してくれることでしょう。



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2011年8月22日 (月)

大山崎山荘にて

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永い夏季休業を頂戴し、本日より上方銀花は通常通り営業
しております。
蒸し暑かったり凌ぎやすかったりしながら、季節は秋へと
少しずつ移っているようですね。

休業中に、アサヒビール大山崎山荘美術館で開催中の
「かんさい いすなう」展へと出かけて来ました。
以前にもこちらのコラムでご紹介させて頂きましたが、ご縁が
あって、上方銀花でも個展をしていただいている斉藤望先生の
椅子も展示されています。
いつも上方銀花で展示している斉藤先生の椅子も、大山崎
山荘の素晴らしい雰囲気と相まって、とても感慨深いものが
ありました。

琅玕洞と呼ばれるトンネルを抜けて、ひぐらしの声を聞きながら
清々しい緑の中を歩いていくと、もとは実業家・加賀正太郎氏の
別荘であったイギリスのチューダー様式の山荘が迎えてくれ、
心が躍ります。
後に加賀氏の手を離れた山荘を、アサヒビール株式会社が
地元の人々の要望に応えて修復保存し、同時に、安藤忠雄氏の
設計による新館「地中の宝石箱」を併設、1996年にアサヒビール
大山崎山荘美術館として開館しました。
山荘の建造物は、国の有形文化財にも指定されています。

本館には、アサヒビール初代社長の山本爲三郎氏による民藝
作品のコレクションを展示し、新館には印象派の巨匠クロード・
モネ晩年の傑作「睡蓮」が所蔵されていることで有名ですが、
今回は斉藤望先生を始めとする関西で活躍する、現役の
工芸家たちの椅子も常設の作品と共に展示されています。
椅子の作品に実際に腰かけて、時の流れをゆったりと感じる
ことが出来ました。
自然と山荘、庭園、そして作品の全てが一体となって、安らぎを
感じさせてくれる展覧会です。
9月25日(日)までの開催です。

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2011年8月10日 (水)

夏季休業のお知らせ

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誠に勝手ながら、下記の期間、夏季休業とさせて頂きます。

8月12日(金)~21日(日)

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

秋の上方銀花の個展のご案内

■9月12日(月)~23日(金) ヴァグリエ 子安一子・バッグ展

■10月7日(金)~17日(月) 更紗展

■10月21日(金)~31日(月) 倉敷ガラス 小谷眞三の世界


これからの上方銀花にも、どうぞご期待くださいませ。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げます。

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伊藤祐嗣 真鍮漆焼付ぐい呑み

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伊藤祐嗣先生の個展の折に、DM写真に使用しました片口を
お求め頂いたお客様より、ぐい呑みを合わせて使いたいのでと
オーダーを頂きました。

お酒がお好きでおれるお客様、片口は様々な作品を集めて
おられるそうです。
少し大きめで手に馴染みのいい「鳩の片口」に合わせて
オーダー頂いたぐい呑みは、使いやすい寸法をお客様に
お考え頂きました。
今の時期なら、そばつゆを入れて、お蕎麦やお素麺の猪口
にもお使い頂けそうな、ゆったりとした作品になりました。

気の置けない仲間と、美味しい季節の味とともに大好きな
お酒を愉しむ。
そんな至福の時の相棒に、末永くご愛用頂けると幸いです。

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2011年8月 9日 (火)

東大寺二月堂のおよく

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残暑お見舞い申し上げます。

今日、8月9日は東大寺二月堂の「およく(功徳日)」でした。
この日にお参りをすると、46000回お参りすることと同じだけの
ご利益を得られるという、有難い日です。
およくには毎年、幸せを祈願しご朱印をお願いしています。

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二月堂で、およく日にのみ販売される「およく餅」は、八尾の
桃林堂のものです。
小ぶりのお餅を、今井章仁先生の錫の小皿にのせて。

また、8月9日は、長崎に原爆が投下された日でもあります。
原爆投下の時間には毎年、東大寺の国宝の鐘楼が18回つかれて
います。
同じく、6日の広島への投下の日にも、平和への願いを込めて
鐘楼の音が響き渡ります。
毎年、およくの日の奈良は残暑の厳しい一日となります。
皆様がご健康に、お幸せに、夏の名残りを過ごされますことを
お祈りしています。

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2011年8月 8日 (月)

桔梗堂の白珠知故

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今日は立秋。
暦の上ではもう秋となりましたが、実際にはまだ蝉の声が
暑さをうたう季節ですね。
甲子園球場では夏の高校野球もはじまり、連日、熱い試合が
繰り広げられています。
今日は大阪代表の東大阪大学附属柏原高校が、甲子園での
初戦を初勝利でかざりました。

ご近所のお客様に、甲子園球場のお近くの「桔梗堂」さんの
とても美味しい夏のお菓子を頂戴しました。
冷やし白玉しるこ『白珠知故』です。
大きな白玉は、トロリとなめらかな食感で、喉をするりと
通っていきます。おしるこはさらっとしていて、さっぱりとした
甘さが嬉しく、それでいて小豆の風味も感じられました。
こちらのお店、白球を模った「球宴」というお菓子も有名なの
だとか。

厳しい残暑が続きそうですが、皆様お身体くれぐれもご自愛
くださいませ。
上方銀花は、11日(木)まで休まず営業致します。

(茶托は西端良雄 作)

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2011年8月 7日 (日)

真夏の風物詩

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7月25日の天神祭、8月1日のPLの花火、そして昨日は淀川の
花火と、大阪で大きな花火大会が続き、真夏の夜空を華やかに
染めました。
昨日は、上方銀花から見えるご近所でも、花火が上げられて
小阪の街が賑やかに彩られました。

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今年の夏の、花火大会やお祭りでお召しくださるのにと、お客様に
お求め頂きました浴衣を一部ですがご紹介致します。
上方銀花ではお馴染の、誉田屋源兵衛さんの浴衣です。
大胆な柄行きや色遊びにも挑戦できるのが、浴衣の魅力です。
創業270年余りの老舗の帯問屋である誉田屋さんでは、目を
楽しませてくれる意匠の浴衣も発表しておられます。
上の浴衣は「源氏車」、下は「三筋の綱五郎」。
誉田屋さんらしい粋な洒落っ気を感じさせる浴衣です。

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2011年8月 6日 (土)

福岡と高知の銘菓

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とても有難いことに、上方銀花ではお客様や作家さんから、
お珍しいものや遠方の銘菓など、美味しいお菓子を頂戴する
機会に恵まれています。

福岡の御菓子処「萬年家(はねや)」の『那の香』。
「那」とは博多の周辺にかつて存在した国だそうです。
柑橘類の蜜漬け果皮を薄切りにしたものを、マリーゴールドの
花を沢山食べて育った都城産の鶏が産み落とした卵を
ふわりと泡立てた生地に程よく散らした、香りの良いお菓子です。

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こちらは、高知で古くから愛されている土佐銘菓「青柳」の
『土左日記』。
こしあんを求肥で包んでそぼろをまぶしています。
歌人・紀貫之の「土佐日記」は、海国土佐を広く日本中に
紹介した最初の文献であり、我国の仮名文字日記の先駆けです。
930年に土佐の国司に任ぜられ、934年12月に船出、翌年2月に
帰京するまでを綴った旅日記にちなんで、お菓子も和綴本を
デザインしたお箱に入っていました。

共に、いにしえに思いを馳せ美味しく頂戴しました。

黒漆皿 松﨑融 作
錫の小皿 今井章仁 作  どちらもご注文承ります。

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2011年8月 5日 (金)

森暁雄 べっ甲銀蒔絵のブローチ

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以前に、お客様からご注文を頂き、森暁雄先生に制作して
頂きました、美しいべっ甲のブローチをご紹介致します。
もともと、同じデザインのべっ甲のリングをご愛用くださって
いたお客様がヤドリギのモチーフを気に入ってくださり
ブローチもオーダーを頂きました。

漆黒のべっ甲に、銀蒔絵でヤドリギを描かれた美しい
ブローチです。
べっ甲と銀蒔絵のコントラストが、装いをシックに演出して
くれ、ダイヤモンドで表現された果実が煌めいて華やぎを
与えてくれます。
ヤドリギの葉の形を美しく描かれた、動きのあるデザインが
素敵です。

欧米ではクリスマスツリーの装飾としてよく目にするヤドリギ
ですが、ルーマニアでは幸福の源とされ、親しまれています。
早春に咲いた花が、今頃は実をつけているでしょう。

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2011年8月 2日 (火)

夏の上方まつり

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藤井蓮 オランダシシガシラ

8月に入り、恒例の夏の上方まつりを迎えます。

普段、店頭にて展示しております作品を、上方まつりの
期間に限り、お値打ち価格でご提供させて頂きます。

家具や絵画、お着物、陶磁器、ガラス、漆器、アクセサリー
など、お心残りの作品がございましたら、ぜひこの機会に
嬉しい出会いをして頂きたく存じます。
どうぞ皆様、お出かけくださいませ。

■夏の上方まつり 3日限りの感謝セール 
8月5日(金)・6日(土)・7日(日)

また誠に勝手ながら、セール期間中はクレジットカードは
ご利用頂けませんのでご了承くださいませ。
期間中のお取り置き、ご返品もお断り申し上げます。

■夏季休業のお知らせ
8月12日(金)~21日(日)休業させて頂きます。

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