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2011年4月25日 (月)

上方銀花 春の文楽鑑賞会 その1

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4月20日(水)は、恒例となりました上方銀花の文楽鑑賞会でした。

今回は、竹本源大夫さんと鶴澤藤蔵さんが、親子で同時に
ご襲名をされるということで、襲名披露口上をなさる演目の方に
皆様にお出かけ頂きました。
風が出て肌寒い日となりましたが、初めての方々にもご参加頂け、
お着物でお越しくださった方が多く、感謝しております。

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開演前には、人形遣いの吉田玉女さんによって、演目の
登場人物やあらすじのご説明を頂きました。
玉女さんが会場にお持ちくださったのが、「源平布引滝」で
お遣いになられる、斉藤市郎実盛。物語の主人公です。
集合写真の撮影後、会場へと移動しました。
北海道の旭川の中学生たちが修学旅行で大勢来られており、、
若い観客席に賑やかに開演を迎えました。

「源平布引滝」は、源氏平家の争いを題材とした時代物です。
平家の侍であって源氏に心を寄せる斉藤実盛が「源氏の白旗」が
平家に渡ることを阻止するために、白旗を持つ女性・小まんの腕を
斬り落としたことから物語は始まり、小まんの子息・太郎吉と、将来
戦場で再会する時に、白髪を染め若やいだ姿で出陣し、その折に
改めて討たれようと誓い別れます。
後に、北陸篠原の合戦で、木曾義仲の家臣・手塚光盛が実盛を
討ち取りますが、これを30年前に約束された宿命であり、
幼い光盛(太郎吉)と実盛の出会いを描いています。

物語の最後に、玉女さん演じる実盛が立派な馬に乗って颯爽と
立ち去って行くのですが、通常使われる下駄よりもさらに背の高い
下駄を履いて人形を遣う姿が圧巻でした。

源平の合戦というと、誰もが知っている物語ですが、そこには
さまざまな人物のさまざまなドラマがあるのですね。
実盛という人物の懐の大きさをよく表現されおり、見応えがある
演目でした。

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