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2009年11月12日 (木)

上方銀花観劇会 その1

0911121 0911122 お天気にも恵まれた、恒例の上方銀花観劇会では、国立文楽劇場25周年記念特集「芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」大内の段/加茂館の段/保名物狂の段/葛の葉子別れの段/蘭菊の乱れを観ました。
今回上演されたのは、「芦屋道満大内鑑」の中でも、安倍晴明の出生の秘密に関わる物語です。
晴明に関しては不思議な逸話が古くから語られ、中でも有名なのは「晴明の母親は狐である」といういい伝えです。
「葛の葉子別れの段」から「蘭菊の乱れ」では、人間国宝・吉田文雀氏操る狐葛の葉の姿が感動的でした。
美しい女性の姿から白狐に変わり、去りながら、愛しい夫と我が子を振り返ってみせる姿には、母の情愛がにじみ出ていて涙を誘いました。
文楽では、人間の姿をしている時は、たとえば首がカクッとなるといった、ややぎこちない動きを時々入れることによって、本当は人間ではないということを表し、狐では、鼻先と尻尾を上げない。これをやると犬に見えてしまうのだそうです。
文雀氏の白狐は、子を想い悲しい顔をしている本物の狐がそこにいるようでした。

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